Forevermore (ページ44)

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宇野「たぶん、こうかな？ていうのは思ってたので、特に驚きとは思わなかったですね。」

織田「ふつう見れないですもん、他の人の演技とか」

・・・たしかに、俺もあんま他の人の演技は見ねえな。

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松岡「僕はやはり羽生さんとずっとインタビューさせてもらって、いろんな言葉が出てきた。先ほど、終わった後もさせてもらって、この言葉が本当に印象的だったんですね。

〈魔物〉という言葉なんですけど

ソチの時は魔物にやられた。今回は魔物に助けられた。これ、どういう意味なんですか？」

『実は今回、フリープログラムは特になんですけど、やっぱり4回転ループを挑戦しようと思っていて、え～、若干難易度は下げた構成にはなったんですね。
　4回転の数は減ってはいないんですけど、種類は減って難易度は落ちている。

それで緊張感が減って、6分間練習でジャンプが決まらなくて、焦ってていう感じだったんですけど、最終的にポンっと背中を押してもらった感じですね。』

松岡「感覚の魔物っぽいものが？」

『緊張してなかった訳じゃないんですけど、ちょっとリラックスし過ぎたかな。緊張しなきゃっていうのは思ってて、最後は緊張感持ってやれたので。』

まぁ、俺以上にAが緊張し過ぎてるのがショート終わった時点で分かってたから。緊張する役目はAに任せたっていう部分もあるんだけどね・・・とてもインタビューでは言えねえな。

松岡「宇野さんはその点では、魔物っていうのはどうでしたか？」

宇野「僕は・・・そんなに感じなかったです。魔物とかオリンピックは特別って聞いてたので、どんなものなのかな？って思ってたんですけど・・・最後まで何か分からなかったです。」

　・・・うん、そうだろうな
前に座る信くんと2人で苦笑するしかない。昌磨らしいっちゃ、らしいけど。

織田・松岡「「・・・すごいですねぇ」」

『すごいですねぇ』

大の大人が3人そろって同じ感想しか出て来ねえよ！！

織田「魔物との闘いでしたよ、本当に」

『靴ひも・・・』

いや、あの靴紐切れるっていうのはマジ魔物だったよな。

織田「魔物過ぎるから、それは」

今だからこそ、笑えるけどさ。テレビの前でマジで？ってなったもん。

松岡「インタビューしていて、この言葉がありましたね。」

大きなモニターに〈捨〉という一文字が表示された。