Forevermore (ページ41)

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入口で満面の笑みで持つブライアン達、カナダで最後まで諦めずに治療をしてくれたトレーナー

そして誰より、自分を捨てて、俺を支えてくれたA

みんながこの右足をこのフリーが終わるまでもたせてくれた

大きく両手を広げるブライアンに無我夢中で抱き着いた。

『Thank you,Thank you』

この後に控えているハビと目が合って、互いに短くうなずく。

出来るなら、2人そろってメダルを取りたい

ブリアンコーチと2人きりのKiss&Cryで317.85点で現時点でトップに立った。

上位3名の控室に入り、あと2人の演技を待つ

〈この瞬間、羽生結弦のオリンピック2連覇が決まりました！〉

昌磨の演技が終わり、金メダルが確定した。

自分の金メダルとハビの銅メダルが分かった瞬間に、もう涙が止められなかった

周りにいた記者の方から「おめでとう」と何度も言って頂くけど、涙で言葉にならなかった。

隣にいたハビと抱き合って、互いに「おめでとう」を贈り合う。

いつだったか、俺がハビに一緒に金メダリストになりたいと言うと、ハビは困ったように笑って「でも、ゆづる、2人一緒にはなれないんだ。」と俺をなだめてくれた。

ハビが「たとえ自分がメダルを取れなくても、ユヅルが取れれば、それでハッピーなんだ」とインタビューで語っていたとAが教えてくれた。

ハビは優しすぎる、優しすぎて、正直競技には向いてないんじゃないかと思う事だってある。

だからこそ、このオリンピックでハビと一緒にメダルを取って、表彰台に上がれる事が嬉しい

ハビとブライアンと3人で抱き合って、その後トレーシーと3人で抱き合って、じわじわと実感がわいてくる。

写真撮影を終えて、控室に戻る

『俺のバッグ取って！バッグ！』

控室にいた連盟の人は急いでる俺に驚いたのか、一瞬固まってたけど、すぐに動いてリュックを渡してくれた。

急いでしまってあったiPhoneを取り出す。

電話の呼び出し音が1コール終わらない内に、1番聴きたい声が答えてくれた。

「結弦くん！」

『A、取ったよ！！金メダル！！』

「見てたよ、ちゃんと見てた。よかった・・・よかった」

電話の向こうから、いつもより大きな声でAが返事をして、

泣いてるのが分かった

『A、泣いてんの？』

そういう俺も既に泣いてんだけど

「結弦くんだって泣いてるじゃん！」

そうだよ、泣いてるよ

でもやっと言えるよ

『A、ありがとう』