Forevermore (ページ39)

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「何この無言・・・見てなかったの？」

『み、見てたよ？』

「何で疑問形？」

『見ようと思って、テレビの前でしっかりスタンバイしたんだけど・・・』

「うん、それで？」

『・・・緊張し過ぎて、結弦くんが演技してる最中目開けてられなかった』

「何それ？」

『だって～、足痛めたらどうしよう？とか、いろいろ考えたら、緊張し過ぎて、怖くてリアルタイムでは見れなかった。ごめんね？』

「別に良いけど。後からは見れた？」

『うん、見れたよ！

すごい、かっこ良かった！！』

「・・・ありがと」

フィギュアの技術的な事は全然分かんないけど、スケートしてる時が1番かっこ良いと思ってる

『なんか周り騒がしい？』

さっきから人が話す声が時々聞こえてる

「そんな騒がしくないと思うけど。今部屋に帰る途中の廊下で、人とすれ違ったりしてるからだと思う。」

『そうなんだ。夕ご飯は食べた？』

「部屋に荷物置いたら、食堂に食べに行く。Aは？もう食べた？」

『こっちももうすぐ食べるよ。今ね、パスタ茹でるためのお湯沸かしてる。』

パスタ茹でる時って使う量が多いから、なかなかお湯が沸かないよね

「俺もパスタ食いたい」

『珍しいね？いっつも和食が良いって言うのに』

「この前作ってくれたやつ。」

この前作った・・・どれの事だろ？

『あ！エビとほうれん草？』

「それ！チーズ入ってて美味しかった。あれ食べたい、帰ったら作ってよ」

たしかに和食好きの結弦くんにしては、あのパスタは美味しそうに食べてくれてたな

『分かった、帰って来た日はそれ作るね。他には？何か食べたいものある？』

「あとは特にない」

即答！？もっと悩んでから言ってよ

『残りはじゃあ適当に作る』

「うん。A？

明日また頑張って、絶対金メダル獲って帰るから」

『うん、待ってる』

結弦くんの金メダル宣言にちょっと泣きそうになる。
でも、大丈夫、信じて待ってるから

「今度は目開けといてよ」

・・・意外と根に持つよね、結弦くん

『明日は大丈夫だよ・・・きっと』

「本当に？なんか不安だな」

『全然大丈夫だよ！

ちゃんとご飯食べに行ってね？』

「はいはい。また明日連絡する。

フリーが終わった後に」

『うん、待ってる』

スマホをまたソファに置いて、鍋にパスタを入れてから大切な事に気付く。

『やばっ！足の状態聞くの忘れた』