A romantic object ... [恋愛対象] (ページ3)

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マネージャー.。ページ3

真っ青な空。
眩しい太陽。
真夏。
中体連。

「秋保くんはピッチを上げたいから…あっちでラダー使って練習しよっか。」

体力が無さすぎてマネージャーになった私、実果花。
50人近くいる部員に対してたった1人のマネージャー。
走れば直ぐに貧血を起こして倒れる私に陸上部は合ってなさすぎて何回辞めようと思った事か…。
何も出来なかった1年生を終えて、2年生になってからマネージャーになる事ができた。

「短距離、走り込み行くよ」

皆の練習メニューを顧問の先生と部長の秋保季くん、副部長の氷雨琳都くんと考えるのも私の仕事。
部活が終わってから部活動日誌を書くのも忘れてはいけない。

「実先輩！…あの……あっち…で…夕星…先輩……が……っ」

短距離メンバーとメニューの確認をしていたら別メニューをしていた短距離の後輩が走って来た。
彼女は琥珀沙夜。

「あー、また倒れちゃったか、ありがとね」
「いえ、大丈夫です！」

妙に堅く背筋を伸ばして礼をして夕星先輩……天河のところへ走っていった。
メニューの説明をしてから私も天河の所へスポーツドリンクの入ったペットボトルと休憩用のマットを持って走った。

「天河、大丈夫？」
「大丈夫だよ、いつも通り」

えへへ、と疲れたようにぼんやりした瞳で笑った。
天河も体が強いわけではない。
今日のようによく倒れる。

「何でそんなに頑張れるの？やっぱり……」
「頑張らないと、うちが陸部入った意味、無くなるでしょ？」

私には、やっぱり理解できない。
何でそこまでして彼…氷雨くんに近づこうとするのか。
自分が辛い思いをしてまで…私なら出来ないなって思ってる。
まだまだ疎くて鈍くて、こんなんだから分からないだけなんだろうなって。
天河は、私の親友で、かけがえのない存在で。
なのに、心だけどんどん遠くに行ってしまっているような、そんな感じがした。