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「以上、次の会議は木曜日に行います」
浮かれた頭は二宮くんのせいで半分消えた。
可愛い顔しているくせに、悪魔のような囁きにかき乱された心。
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「はあ・・・」
会議の後片付けをして、第二会議室を出たところ。
『会議終わりに第四会議室』
櫻井先輩からの伝言を思い出して、やっぱりふわっと浮かれた頭は単純すぎる。
普段あまり使用されない一番奥の部屋、突き当たりにある第四会議室。
廊下に誰もいないことを確認して、足早にそこへと向かう。
さっきまで第二会議室に一緒にいた櫻井先輩は、ただの上司。
だけど
「遅かったじゃん」
ガチャン、と開けた先にいた櫻井先輩は
「ごめんなさい、ちょっと後片付けが」
「知ってる(笑)」
私の付き合っている人、櫻井先輩は私の彼氏。
「ほら早く来いよ」
ガチャン、とドアを閉めた途端、
グイッと腕を強く引かれて、あっという間に櫻井先輩の胸にすっぽり身体が埋まる。
ふわりと香る櫻井先輩の匂いに、ぎゅうっと心臓を掴まれた気分。
「顔、上げて？」
背の高い櫻井先輩の声が頭上から聞こえて、言われた通りに顔を上げると
あ、と思ったときには、甘く優しく塞がれた唇。
ギュッと腰に回った腕が力強く私を引き寄せる。
「櫻井先輩、苦しいです…」
「ん？(笑)」
塞がれた唇が離れて、パッと大きな瞳と眼鏡越しに絡み合う。
ドキドキと忙しない鼓動が、
櫻井先輩に伝わってしまうんじゃないかって思うぐらい密着した身体。
身体を強く抱かれて、苦しいほどに櫻井先輩に包まれれば
愛おしさがフツフツと湧き出るのは当たり前。
「充電させてよ」
コツン、と櫻井先輩の顎が私の頭の上に乗る。
同時に、ふわっと鼻を掠める櫻井先輩の匂いは色っぽくて
いつまで経っても慣れそうにない。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年1月17日 18時
