ロマンティック・エゴイスト【S.S】 (ページ1)

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◆秘密の第四会議室〈先輩×後輩〉ページ1

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「今日の会議は14時から第二で行うからな」

銀縁のメガネはどことなく櫻井先輩のスマートさと端正な顔立ちを

より一層際立てるアイテムだと思う。

細いストライプが入ったネイビーのスーツは

華やかさもありつつ、品があって育ちの良さを感じさせられる。

「これ、会議までに資料まとめといて」

ぽん、と左肩に少しの重みを感じてパソコンに向かっていた顔を

その重みが離れると同時にパッとそちらに向けると

「頼んだ」

14時からの会議で使用するであろうファイルを

はい、と櫻井先輩から差し出された。

「あ、分かりました」

「ん、よろしく」

差し出された白いファイルを櫻井先輩の右手から受け取ると

すぐに颯爽とデスクフロアから出て行く大きな背中。

異常になで肩が目立つその後ろ姿を見えなくなるまで目で追っては

無意識に緩む口元を隠すのに必死になる。

仕事中、切り替えてわたし！

煩悩をもみ消すようにブンブン、と頭を振って

櫻井先輩から受け取った白いファイルを開けると

『会議終わりに第四会議室』

乱雑に書かれた文字なのに、ドキリと心臓が大げさに跳ね上がるのはあまりにも不甲斐ない。

『新規プロジェクトについて』

そう書かれたすぐ下に貼り付けられていた水色の付箋。

いつも櫻井先輩の文字を綴ってあるこの付箋を

受け取るのはこれで何回目なんだろう。

その度にいちいち心臓がバクバク、ドキドキしてしまう。

緩んだ口元を直したはずなのに、また緩みそうになるのは

やっぱりどうしたって難しい問題。

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