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「あのねあのね、ちーはね、パパとママのおともだちなんだよ!」
光「そうなんだ!」
「ちーはね、よくあそんでくれてね、まいにち家にきてくれるの!」
光「いいなぁ!羨ましい!」
.
私と手を繋いで楽しそうに光くんとお喋りする
小さな男の子。
もともと人懐っこい性格なのか
いろんなことを話してくれている。
特に、“ちー”って人のこと。
.
光「ちーって、どんな人?」
「やさしいけど、ちょっとなまいき!」
光「へ…」
「あとね、うんどうしんけい?がすごくいいんだって!」
光「ほ、ほう…?」
.
“ちー”って人の特徴を知りたいのに、
教えてくれるのは、性格のこと。
もっとこう、外見とか分かればいいんだけど…
.
「あとね、あたまもいいんだって!」
光「めちゃくちゃスーパーマンじゃん。」
「だけど、はずかしがりやさんだってパパは言ってた。」
光「そっかそっか。」
.
そして、ずっと一番気になっているのが
どうして、私と手を繋いだままなんだろうか…?
さっきから喋っているのは光くんなのに
手、全然離そうとしない…
私は緊張してしまって何も喋れてないのに。
というか、子ども相手に人見知りする私って……
.
「あっ…」
.
ふと顔を上げると、キャップを後ろ向きに被った
小さな男の人が見えた。
慌てた様子であちこち駆け回って、
不安そうな表情で息を切らすその人…
.
「ちねん、さん…?」
光「え?」
.
ぽつりと呟いた名前に、光くんも前を見る。
私と手を繋いでいた、たいようくんも…
.
「ちー!」
***
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作者名：まりも
作成日時：2023年8月15日 23時
