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光「え、向こうで妹と元カレに遭遇した!?」
「は、はい…」
.
2日目の出張は無事終わり、土日を挟んでの出勤日。
エレベーター前で偶然八乙女さんと会い、
関西出張のことを話していた。
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光「そ、それで…大丈夫だったの?」
「は、はい。会ったときは動揺しましたけど、今はもう、全然…」
光「あらそうなの?」
「はい。なんかもう、いいやって。」
.
エレベーターが到着して、乗りこもうとする。
ふと斜め上を見上げたら、八乙女さんの目が
ほんの少し見開いてることに気づいた。
.
「八乙女さん…?」
光「いや、ちょっとまじでビックリしてね?」
.
そう言って八乙女さんは首をコテンと傾げて頬をかく。
本当にびっくりって感じで、
その表情からイヤミとか全く感じられない。
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“その人と別れられてよかったんじゃない?”
“モブキャラBでよくない?”
.
あのとき、知念さんが言ってくれた言葉に
私は救われた。
たぶん知念さんは励まそうとか、元気出してほしいとか、
そんなことを思って言ったんじゃないと思うけど…
.
「そうですか?」
.
無意識に口角が上がる。
もうすぐ自分が降りる階に着くから、
慌てて唇を横に伸ばして、ほんの少し咳払い。
.
光「ふふ、なんかあったの?」
「ナイショです。」
.
だって、知念さんが私に言ってくれた言葉は
私だけのものだから…
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作者名：まりも
作成日時：2023年8月15日 23時
