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***
力強く腕を引っ張る知念さんの背中を
私はたたら脚で必死で追いかける。
やがてたどり着いたのは、今日宿泊予定のホテル。
知念さんは私の部屋の前でやっと手を離してくれた。
.
「あ、あの…」
.
問いかけてみたものの、何を話せばいいのかわからない。
背中を向けてる知念さんの肩は上下に揺れている。
何て思われているんだろう…
.
侑李「…風羽さん。」
.
小さく名前を呼ばれて、知念さんが振り返り、
私は咄嗟に顔を伏せた。
.
みっともないところを見られた。
迷惑かけてしまった。
きっとびっくりしてる。
変な子だって思われてる。
だから早く何か言わなきゃ…
早く謝らなきゃ…!
.
「…っ、あの!」
侑李「風羽さんの好きなおにぎりの具は?」
「…え?」
.
お、おにぎり…?
なんで…おにぎり?
突然の質問に驚いて固まっていると、
知念さんは少し困ったような表情でさらに続ける。
.
侑李「何でも言って。好きな飲み物とか、おかずとか。」
「え、えっと…」
侑李「早く…何かあるでしょ。」
.
わけが分からなくてパニックになってる私に
知念さんは眉をハの字にさせながらも、少しキツイ口調。
私は戸惑いのまま、小さく口を開いた。
.
「おかか、とか…?」
侑李「うん。」
「あ、あとこんぶと鮭も好きです…」
侑李「それで?」
「えっと、おかずは唐揚げで、飲み物はお茶をよく飲んでます…」
侑李「ん、わかった。」
.
納得したのか、知念さんは小さく頷くと
その場から立ち去ろうとする。
え、待って、これだけ…?
さっきのはいったい…
.
「あの…!」
.
思わずその背中を呼び止める。
知念さんは目線だけを横に向けて
素っ気なく口を開いた。
.
侑李「すぐ戻るから着替えといて。」
「え…」
侑李「10分後、ロビーに集合ね。」
「あ、あの…」
侑李「…返事は?」
「あ、は、はい!」
.
言われるがまま、とりあえず答える。
私の優等生な返事に知念さんはやっと眉間の皺消し、
満足げにふっと目を細めた。
.
侑李「じゃ、またあとで。」
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まりも(プロフ) - ただのおたくさん» お越しくださりありがとうございます!ご期待に添えるお話になるか分かりませんが……まりものペースに付き合っていただけたら嬉しいです😳 (5月27日 21時) (
レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ただのおたく(プロフ) - 夏ときみの声とから来ました！ほんとに感動して、まりもさんの書く作品にもっと触れたいと思い来ました！これからこの作品を読むのが楽しみで仕方ないです...、これからも応援しています！無理せず、まりもさんのペースで更新してください！ (5月22日 23時) (レス) @page1 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
作成日時：2022年12月17日 23時
