39 ページ39
***
「えっ、と…」
.
アーモンド型の瞳がジッと私を見据えている。
“何見てるの?”って。
たしかに…
私、なに見ていたんだろう。
.
知念さんの横顔を観察してパーツの一つ一つに見惚れていて。
言葉に詰まってる私の顔を、知念さんは難しい顔で眺めている。
もしかして、怒らせた…?
勝手に見てたから、気分悪くしたのかもしれない…
.
侑李「…ま、いっか。」
「へ…」
.
なんて焦ってると、知念さんの視線が
ふと腕時計に向いた。
.
侑李「あと少しで着くから、降りる準備しといてください。」
「あ、は、はい!」
.
なんか、落ち着かない…
腕時計からまたタブレットに視線が戻って
仕事に集中する知念さんから目が逸らせなくて。
.
侑李「……また見られてる。」
「…え?」
侑李「別に何も…着いたから降りるよ。」
「あ、はい…!」
.
電車から降りる知念さんの背中を
慌てて追いかける。
.
「あ、あの…」
侑李「はい。」
「あ、いえ…何もありません。」
.
気になるけど…やっぱりやめた。
さっき、何て言ったんだろう…?
.
首を傾げる私。
そのとき、知念さんの口角が少しだけ上がっていたなんて、
気が付かなかった。
***
143人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まりも(プロフ) - ただのおたくさん» お越しくださりありがとうございます!ご期待に添えるお話になるか分かりませんが……まりものペースに付き合っていただけたら嬉しいです😳 (5月27日 21時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ただのおたく(プロフ) - 夏ときみの声とから来ました!ほんとに感動して、まりもさんの書く作品にもっと触れたいと思い来ました!これからこの作品を読むのが楽しみで仕方ないです...、これからも応援しています!無理せず、まりもさんのペースで更新してください! (5月22日 23時) (レス) @page1 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まりも
作成日時:2022年12月17日 23時