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新幹線に乗って2時間半。
距離だけでなく季節も飛び越えてしまったかのように、
その街は梅雨の湿気に包まれていた。
都会とは違う違う匂い…
“懐かしい”
.
侑李「まずはこの会社か。
とりあえずホテルに荷物を置いて…」
.
思わずその街の景色を眺める。
.
昔あったフードショップは無くなって、今は携帯ショップになっていたり
空き地だったあそこは、大型ビルが建っている。
変わったところもあるけれど…
だけど、変わってない。
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“あの人たち”もきっとここに…
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侑李「…風羽さん?」
.
ぼんやりと考えていたとき、知念さんの声が聞こえて
ハッとする。
知念さんは眉間に皺を寄せて、
難しい顔でこちらを見ていた。
.
侑李「さっきの、聞いてた?」
「は、はい!すみません、聞いてました。」
侑李「ならいいけど…」
.
いけないいけない。
今は仕事。
もの思いにふけてる場合じゃない。
集中、しないと…
.
侑李「もしかして、何度か関西に来たことあるの?」
「い、いえ!京都の修学旅行以来です。」
侑李「あー、京都は定番だもんね。」
.
荷物を持ってホテルに預けて。
それからは取引先の会社に直行。
.
大丈夫…
この広い地域で、“あの人たち”に会うはずがない。
気をつけていれば、きっと大丈夫。
それに八乙女さんも言っていたもん。
.
“大丈夫だろ”って。
そう言ってくれたもん…
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まりも(プロフ) - ただのおたくさん» お越しくださりありがとうございます!ご期待に添えるお話になるか分かりませんが……まりものペースに付き合っていただけたら嬉しいです😳 (5月27日 21時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ただのおたく(プロフ) - 夏ときみの声とから来ました!ほんとに感動して、まりもさんの書く作品にもっと触れたいと思い来ました!これからこの作品を読むのが楽しみで仕方ないです...、これからも応援しています!無理せず、まりもさんのペースで更新してください! (5月22日 23時) (レス) @page1 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも
作成日時:2022年12月17日 23時