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「知念さんと有岡さんって、
学生時代からの知り合いだったんですか?」
侑李「うん、小学校からの幼馴染。」
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仕事の話のあとは完全にプライベートの話。
お酒の力もあってか、話が弾んでいた。
数時間前までは考えられない光景だ。
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侑李「一つ違いで一応先輩。いちおう。」
.
“一応”を二回言って、パクリと焼き鳥を一つ。
そういえば、今日のオフィスでもさっきも有岡さんのこと、
“大貴”ってサラッと呼んでたような…
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侑李「これ、写真。」
「わっ…!」
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知念さんからスマホの写真フォルダを見せられて
思わず悶え声が出た。
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学ランを着ているから、たぶん中学生…
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知念さんの肩に手を回す有岡さんと
ちょっと鬱陶しそうに写真に映り込む知念さん。
二人とも今より目がくりくりしていて、
今もじゅうぶんカッコいいと思うけど、これはこれで…
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「か、かわい…!」
侑李「ん?」
「い、いえ…!なんでも。」
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ほんの小さな囁きに知念さんが反応してしまい
思わず私は首をぶんぶん振る。
さすがに先輩社員に向かって“かわいい”と言うのは失礼…
初めて会ったときは、見た目“かわいい”だったけど。
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侑李「ちなみに大貴、結婚してる。」
「へ…」
侑李「ついでにいうと一人…じゃないや。二人の子持ち。」
「えぇ!?」
.
知念さんの冷静な発言に目が飛び出そうになる。
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だって、結婚指輪してなかったと思うし…
あれ、見えてなかっただけ?
あの若さ…多分20代前半ぐらい?で
二人のお子さんがいるって…!
か、考えられないというか、
想像つかないというか…
.
侑李「…風羽さん、何か勘違いしてない?」
「へ…」
侑李「大貴、もう三十路ですけど。」
「はい!?」
.
あの顔で、30代?
あ、あり得ない…
頭が追いつかないし、
有岡さん、童顔過ぎじゃない…?
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「え?てことは…」
侑李「ん?」
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ふと考える。
目の前の知念さんは完全にネクタイを外して、
日本酒のお代わり。
ほ、ほんとうにペースが早い…
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「知念さんは今、おいくつですか…?」
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まりも(プロフ) - ただのおたくさん» お越しくださりありがとうございます!ご期待に添えるお話になるか分かりませんが……まりものペースに付き合っていただけたら嬉しいです😳 (5月27日 21時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ただのおたく(プロフ) - 夏ときみの声とから来ました!ほんとに感動して、まりもさんの書く作品にもっと触れたいと思い来ました!これからこの作品を読むのが楽しみで仕方ないです...、これからも応援しています!無理せず、まりもさんのペースで更新してください! (5月22日 23時) (レス) @page1 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも
作成日時:2022年12月17日 23時