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***








「逃げる、ですか…?」










.










目の前にいる知念さんから出てきた言葉に

思わず首を傾げてしまう。










そんな私に、知念さんは

ころりと笑顔を見せて続けてきた。









.









侑李「理由は何でもいいよ。用事があるので、とか、

急に電話が、とか。










バレバレな嘘でもいいから逃げて、今まで押し付けられてたけど、

今後は一切やりませんアピールして大丈夫。」









.











「…っ、でも逃げるって…」











.









…いいの?










良く思われないだろうし、

社会人として失格なんじゃ…








.










侑李「逃げていいと思うよ?」










.









まるで心の中を読まれてるみたいに

知念さんが柔らかく微笑む。








.








侑李「…確かに嫌な顔はされるけど、

そういう人たちにはそれが一番。









もちろん、やるべき仕事はちゃんとやらないとだし、

本当に困ってるなら、助け合うのも大切だけど。」










.










ポツリと落ちてきた小さな呟き。



















それは本当に自然過ぎて、



私に向けられた言葉だと、最初は分からなかった。








.










侑李「それに嫌われてもいいんじゃない?」










「え…」









侑李「嫌われたからって、別に死ぬわけじゃないでしょ。

それで減給されたらうちはブラック会社。やめても問題なし。」










「そ、それはそう…ですけど!」










.









ついムキになって前のめり。










だけど、知念さんはそれに対して何も突っ込まず

ただ笑って、軽く頬杖をついた。









.










侑李「何かあれば僕も大貴もいるし大丈夫。









バックには知念という頼もしい先輩がいるって

ドーンと構えとけばいいよ。」








.










そう言って、知念さんはお猪口に入ってるキラキラと輝く液体を

グイッと一気に飲み干して、ふわふわと笑う。











.









なんか、驚いた…










知念さんって、こんなふうに笑って、

欲しい言葉と逃げ道を用意してくれる。










.










“もうちょっと頑張れる”

“やれるところまでやってみよう”って活力になって。









“逃げない自分”になれる…











.









「…っ、ありがとう、ございます。」

侑李「ん?いいえ。」









.









私の中の知念さんに対しての

“怖い”というイメージが払拭されたような。









知念さんに相談して良かった…









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まりも(プロフ) - ただのおたくさん» お越しくださりありがとうございます!ご期待に添えるお話になるか分かりませんが……まりものペースに付き合っていただけたら嬉しいです😳 (5月27日 21時) (レス) id: 9a2317564f (このIDを非表示/違反報告)
ただのおたく(プロフ) - 夏ときみの声とから来ました!ほんとに感動して、まりもさんの書く作品にもっと触れたいと思い来ました!これからこの作品を読むのが楽しみで仕方ないです...、これからも応援しています!無理せず、まりもさんのペースで更新してください! (5月22日 23時) (レス) @page1 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まりも
作成日時:2022年12月17日 23時

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