月曜日の昼1【中原中也】 ページ6
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「中原くん……今回の敵は、とっても情熱的だったみたいだね」
首領が素知らぬ顔で言う。
本当は、大体の予想は付いているだろうに、よく言うよ……とAは心の中で毒づいた。
予定通り、首領のところへ先日終えた任務の報告に来た中也とA。
中也の顔にはひっかき傷と腫れた頬。
明らかについたばかりと言う傷で、先日の抗争でついたと言い訳するにはあまりにも厳しいものだった。
付けたのはもちろんAで。
朝、馬乗りになられた後に、自分勝手に事を進めようとする中也に怒ってAが蹴りを入れようとしたが当然の如く止められた。
「お前の攻撃が読めない訳ねぇーだろ」
得意がる中也に「そんな中也さん好きじゃない!いやっ!」と言葉を浴びせると、好きじゃないと言われたことに動揺したのか、はたまた感情に任せてAの攻撃が良かったのか右の頬に4本のひっかき傷をつけた。
それから容赦ない打拳(しかも可愛らしい平手打ちなどではなく本気の拳骨)は中也の左の頬に綺麗に決まった。
結果、中也は右頬にひっかき傷、左の頬に殴られた痕となんとも情けない姿で首領に会うしかなくなってしまった。
「あ、はい……まぁ……」
その時の事を思い出しながら、なんとも気不味い様子で返事をする中也。
付いた爪痕をなぞるようにそっと自分の指で撫でた。
「Aちゃんは?怪我はないのかい?」
「はい、全く問題ありません」
「そう?そこ、怪我してるみたいだけど?」
首領が首筋の絆創膏を指差して言う。
慌てて、隠すように絆創膏を抑えるA。
「大丈夫です。全っ然!問題ありません!」
首領の前でも隠そうとしない不機嫌さを醸し出し、首領の問い掛けに何故か中也を睨みつけながら答えるA。
首領が、大体のことを察していると思っての態度だろうが。
「君たちもまだ疲れてるでしょ。後処理が終わったら今日は早めに上がっていいから」
そう言われながら執務室を後にした。
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えん(プロフ) - ゆんゆんさん» わぁ!ありがとうございます!陰ながらと言わず、Twitterでも話し掛けて下さいね〜! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - わぁぁぁ…!!好きです…!!あと、陰ながらいつも文ストプラス見ております…! (2019年3月11日 3時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» 私も中也さん好きです〜!r18の方は、中也の妄想垂れ流してるだけなので、今度ちゃんとしたの書けるようにしますね(笑) (2019年2月19日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
らね(プロフ) - いあさん» 中也さんがすこです( ; ; )文ストのr18漁ってたら巡り会えました!幸せです、、 (2019年2月19日 1時) (レス) id: 853782108f (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» わーい!気に入って頂けたものがあって嬉しいです〜!ありがとうございます^^ちなみに、文ストのキャラだと誰がお好きですか?どの検索から見つけて頂けたのかな〜?って気になって。差し支えなければで良いので、教えていただけると嬉しいです。 (2019年2月19日 0時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えん | 作成日時:2019年2月17日 18時