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ちゃんと知ってる1【中原中也】 ページ28

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※連載夢主さんが少し幼かった頃の話。14歳とか15歳くらい?
中也さんも幹部になったばかりの頃とか?そんな雰囲気で読んでください。




「おいA、どういう事だ。答えろ」
「・・・・・・・」

中也の執務室のソファに座らされたAは、目の前に腕を組んでいる中也の問い掛けにそっぽを向いている。
先程から何度も同じ質問をされているが一向に答える気配も無いし、目も合わせようとしない。

「おい、」

Aが一人の構成員に全治二週間の重傷を負わせた。
異能の暴走という事故ではなく、敵意を持って一方的な攻撃をしたのはA。
Aは強い。
異能だけではなく、中也の厳しい体術の戦闘訓練にも泣き言も言わず、何度も喰らいついてきた。
反対に相手はそこまで戦闘に長けている訳でも無い下級の構成員。
戦わずしてもどちらが勝つかなんて火を見るよりも明らかで。
中也は、上司として組織内のいざこざは放っておけない。
おまけにAは、幹部の補佐的役割として連れ歩いていて、正式に幹部補佐になる日も近いと噂されるほどだ。
そんなAが無抵抗の相手を理由もなくボコボコにしたとなれば体裁も悪い……。
なんとかこの事態を解決しようと、理由を聞き出そうとする中也だが、一向に口を割らない。

「おい、いい加減にしろよ、黙ったままじゃわかんねぇーだろ」

中也がAのほっぺを顎下から片手で掴み、無理矢理に顔を自分の方へ向ける。
一瞬、目が合うが、顔の向きはそのままに目線だけを逸らした。

「……言いたくありません」
「なんでだよ。言えないような理由かよ」
「……中也さん、怒るし。笑うもん」

喧嘩の現場から無理矢理、執務室に連れてきて初めて口を開いたAの言葉は、心なしか涙を堪えるように少し震えていて。
顔を抑えていた手を離して、その手をそのまま頭に移動させ、そっと撫でた。
Aは、ピクリと反応すると中也の事を見上げて、蒼い目に視線を合わせる。

「何があったか知らねぇーけど、よっぽどの事じゃ怒らねぇし、何があっても笑わねぇよ。
とりあえず、言ってみろ」
「……アイツが、」
「アイツって、手前がボコボコにした構成員か?」
「うっ……はい。
アイツが、私が上司なのも、幹部補佐になるのも時間の問題って言われるのも、中也さんの隣に立てるのも、全部ただ中也さんに気に入られてるからだって。
実力も無い癖に、どうせ中也さんに抱かれてるんだろって……言うから」



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えん(プロフ) - ゆんゆんさん» わぁ!ありがとうございます!陰ながらと言わず、Twitterでも話し掛けて下さいね〜! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - わぁぁぁ…!!好きです…!!あと、陰ながらいつも文ストプラス見ております…! (2019年3月11日 3時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» 私も中也さん好きです〜!r18の方は、中也の妄想垂れ流してるだけなので、今度ちゃんとしたの書けるようにしますね(笑) (2019年2月19日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
らね(プロフ) - いあさん» 中也さんがすこです( ; ; )文ストのr18漁ってたら巡り会えました!幸せです、、 (2019年2月19日 1時) (レス) id: 853782108f (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» わーい!気に入って頂けたものがあって嬉しいです〜!ありがとうございます^^ちなみに、文ストのキャラだと誰がお好きですか?どの検索から見つけて頂けたのかな〜?って気になって。差し支えなければで良いので、教えていただけると嬉しいです。 (2019年2月19日 0時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えん | 作成日時:2019年2月17日 18時

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