誰も猫には気づかない6 ページ24
_____
「そうですね……。あの、携帯電話も無くしてしまって太宰さん、電話貸してもらってもいいですか?」
太宰さんの携帯を借りて連絡をしてみるも、任務中だから当然ながら繋がらない。
留守番電話に簡単な必要事項を伝言を残して切った。
任務の内容は、まだ聞かされていなかったから、何時に終わるか見当もつかない。
なるべく早く終わればいいけど……。
あの男の子の異能を察知できなかった自分の落ち度の所為で、中也さんにも迷惑を掛けて、探偵社にも情けないとことを見せてしまって。
はぁ……と溜息をついた。
「まぁまぁ、Aちゃん。落ち込んでてもしょうがないじゃない。あの蛞蝓が来るまでのんびりし給え。一緒に珈琲でもどうだい?」
太宰さんが、来客用のソファに座るように促してくれて、泣きボクロの綺麗な女の子が珈琲をだしてくれた。それを飲もうとすると。
「駄目だ駄目だ駄目だ!!」
さっきまで倒れていた国木田さんって金髪の眼鏡が起き上がって、こちらに向かってくる。
「太宰!いくら若い女性だからといっても、ポートマフィアだろ!?何を呑気にしている!しかも、さっきから名前の出ている中也って中原中也のことだろ!?あんな恐ろしい奴をここへ呼ぶだと!ふざけるな!申し訳ないが、さっさと出て行ってもらうのが最善の策だろう!どう考えても!」
わーわー!と大きな声で捲し立てられて、まぁ、正論だよなと思い「ご迷惑をお掛けしました」と立ち上がろうとすると、ちゃっかり隣に座って珈琲を啜っていた太宰さんが、それを制止する。
「え〜!?Aちゃんみたいに、こんな可愛くて幼気な未成年を裸に外套しか着ていない状況で外に追い出すなんて国木田君は男の風上にも置けないな〜。もし、変質者にでもあったり、好奇の目に当てられたりしたら先の長いAちゃんの人生に傷がついてしまうね……可哀想に」
相変わらず、達者な口ですね。と思いながら、黙って聞いていると、国木田さんが何かを耐えるようにブルブルを震えながら「勝手にしろ!!」と勢いよく振り返って自分の机に戻って行った。
チラリと太宰さんの方を見ると、ウィンクをされた。
「相変わらず、他人を思い通りにするのがお上手ですね」
「そうでもないよ」
私は、今も昔も、その胡散臭い笑顔が怖いです……。
・
31人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えん(プロフ) - ゆんゆんさん» わぁ!ありがとうございます!陰ながらと言わず、Twitterでも話し掛けて下さいね〜! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - わぁぁぁ…!!好きです…!!あと、陰ながらいつも文ストプラス見ております…! (2019年3月11日 3時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» 私も中也さん好きです〜!r18の方は、中也の妄想垂れ流してるだけなので、今度ちゃんとしたの書けるようにしますね(笑) (2019年2月19日 17時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
らね(プロフ) - いあさん» 中也さんがすこです( ; ; )文ストのr18漁ってたら巡り会えました!幸せです、、 (2019年2月19日 1時) (レス) id: 853782108f (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - らねさん» わーい!気に入って頂けたものがあって嬉しいです〜!ありがとうございます^^ちなみに、文ストのキャラだと誰がお好きですか?どの検索から見つけて頂けたのかな〜?って気になって。差し支えなければで良いので、教えていただけると嬉しいです。 (2019年2月19日 0時) (レス) id: 45961fa903 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えん | 作成日時:2019年2月17日 18時