かれし と わたし

はやくあいたいな３ ページ22

隣に座っていたAが、スッと距離を縮めてくる。

「ちょっと大変だったレポートも終わって、やっとちょっと余裕できたんだ。昌磨は、明日も練習で忙しいかもしれないけど、せっかく久しぶりに会えたんだからさ、もうちょっと一緒にいようよ。お願い」

珍しく、お願いなんて言われて断れるわけもない。違う世界になんて行かないで。Aには、こんな風にずっと隣にいて欲しい。

「ねぇねぇ、」

呼ばれて振り向いたら突然、写メを撮られた。

目をパチパチさせながら「なに？」と聞く。

「ユリアちゃんに送る」

「なんで？」

「ユリアちゃん、昌磨のこと好きなんだって。オリンピックとかも応援してくれてたし。写メ送ると喜ぶから、誕生日プレゼント」

彼氏の写真を誕生日プレゼントに送るとかどういうこと？とも思ったけど、まぁAらしいか。

良いこと？を思いついた俺は、スマホを奪ってカメラを起動すると、自分の顔とAの顔を近づけた。

「なに？」

ちょっとびっくりしてる。

「え、せっかくだから、一緒に撮ったの送ればいいじゃん。俺だけとか不公平」

嫌だと抵抗していたけど、カメラを向けられたらなんだかんだで顔を整えてしまうあたり、女の子だからなのか、スケーターとしての条件反射なのか。

俺もAもどっちも自撮りなんてことをほとんどしないから、もしかしてこれが人生初の二人で自撮りなんじゃないかって思った。

リプニツカヤさんに送ったついでに俺のとことにも送ってってお願いした。




(作者)
リプニツカヤちゃん20歳お誕生日おめでとうございますー！(6/5)現役は引退してしまったけど、大好きなスケーターです。キャンドルスピンには本当に心を奪われました。コーチとしての活躍もこれから楽しみにしています。
以下、ちょっとしたネタ。
リプさんと仲良しの設定にしたいって言うのは、書き始めた頃からずっと決めていて。でも好きすぎて、どんな関係にしていこうかなってのをずっと考えていて、お話の書き時を見計らっていたらズルズル書けずにいました。でも、せっかくお誕生日なのでここで書かなきゃ！と思って書いたんですが当日に間に合わなかったし、本人登場しない(笑)でも、昌磨くんの夢なので…不安になる昌磨くん書けたので満足しました。また、リプさんとのこと書きたいです。
書き手さんによって、書かれる昌磨くんのイメージってあると思うんですが、うちの昌磨くんは、どんなイメージなんですかね？ちょっと気になったので。

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