ローリングコースター４

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悲しいけど、流星の動揺が伝わってくる。


「のん、勘だけは良いん。
あの人、流星の昔の恋人やろ？」


「隠しても仕方ないから言うけど。
まあ、そうやねん」


「やっぱり！」


心と裏腹に、はしゃいだ声で言っちゃった。


「なあ、いつの恋人？
あの人、かなり年上やんな？
めっちゃイケメンで、
なんていうか、雰囲気が綺麗な人やった。
憧れの上司って感じや」


頭は止まれって指令を出してんのに、
口は止まらへん。

なんでこんな性分なんやろ。

自分の性格を呪いたい。


「質問攻めやな。
けどまあ、過去の事やしな」


流星は適当に誤魔化そうとしてる。


「教えてよ」


「望は妬かへんの？」


「流星の事は全部知ってたいねん」


「知らんでええ事もあると思うけどな。
まあ、終わった事やから。
あの人とは大学の時、付き合うてた」


「どこで出会ったん？」


「広告代理店の人やからさ。
モデルしてた雑誌で、
企業広告の撮影会と座談会があって。
仕切ってたのが忠義くんの会社やったから。
そこで出会った」


「へえ！
でもどうやって二人きりで会うようになったん？」


「もうええやんか、そんなの」


「気になるの！
教えてくれるまでお風呂から出えへん」


「もお。
のぼせてまうで？」


「教えてくれたらいいだけやもーん」


勝手な妄想して苦しむのは、嫌や。

けど、知ったって苦しくなるんは、分かってるのに。


結局、どっちにしたって、胸は痛い。


この年齢になって、
過去がないわけないねんから。


どうしようもない事やのに。


「なんで妬けへんの？」


流星な声、ちょっと不機嫌な気もする。


「そういうわけと違うけど、」


言い訳みたいな言い方になっちゃって。


後ろから抱いてくれてた流星が、
のんの顔、強引に自分の方に向けた。


瞳がゆらゆら揺れてて、少し怖いって思った。


彫刻みたいに整った顔してるから、余計に・・・


「そんなに知りたいなら教えたる。
俺が撮影場所に携帯忘れて。
それを届けてくれてん。
お礼に食事に誘って、
そっから、二人で会うようになった。
付き合うてたんは２年。
忠義くんが東京に転勤なって、
遠距離が辛くて、自分から離れた。
満足した？」

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