ローリングコースター４

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繋いだ手を、
自分のコートのポケットに仕舞い込む。


コートの中で、もぞもぞと恋人繋ぎに変えられた。


俺だけが、こんな心臓ばくばく言うてんのかな。



大毅は真面目な顔して、前向いてるねん。


綺麗な横顔。

小さいけど確かな、手のぬくもりも。


ああ、好きって思う。


俺、大毅のこと、こんなにも好きやねんな。





二人きりの部屋。

そばにいられる時間は、あまりにも短い。


ほんまは抱いて欲しい。


時計の音に、急き立てられて、
切なさばかりが募ってくだけ。


ブラウニーとネクタイ差し出したら、

大毅は、大袈裟なぐらいに喜んでくれて。


お腹いっぱいのはずやのに、すぐに食べたいって。


「大毅、食べさせて欲しい？」


「えっ！ええん？」


「いや、バレンタインやし・・・」


「マジでっ！
今日は幸せ過ぎる日やな。
ともから、そんなご褒美。
もう、俺、死んでもええ」


「死んじゃうなら、やらん」


「嘘嘘。
はよ、とも、ちょうだい」


ソファに座ってさ、
あーんって、口開けて待ってる。

そのおっきな口元。

溢れる、真っ白な歯に、
近付いてく、自分の指先。


ドキドキして、ヤバい。


「美味っ、サクサク、しっとり。
ともは最高の彼女やな」


「やから大袈裟やねんて」


照れ隠しに言うたら、
ぐいって、頭、引き寄せられて。


ふわっと、一瞬、甘い香りのキスされた。


それが、スイッチみたいに、
お互いの胸に火がついて。


溶け合うようなキスをする。


このまま二人だけで。

ずっと大毅とだけおれたらええなんて、思ってまう。


離れ離れがこんなに寂しいやなんて。


「とも、そろそろ、行こか、」


大毅の言葉に、突き放されたような気持ちになるなんて。

勝手やんな・・・


会う前よりもっと、苦しい。


「嫌や。
まだ抱いてくれてへんもん」


「けど、時間・・・」


「大毅はこのままで離れて平気なん？」


「嫌に決まってるやん。
俺かって、ともと一つなりたい」


「嬉し」


思わず笑みが溢れてた。

大毅が顔寄せて、俺のこと、じっと見入るから。


大胆なこと言うてしもたって、
今更気付いて、照れてきた。

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