【太宰治】この度タイムトラベルして父が生きてる未来を作ることになりました。誰か異議ある人はてぇーあーげてぇー！

回想2 ページ20

皆の息を呑む音だけが聞こえる。

貴「気がつくと真っ暗でした。

だんだん目が慣れてきて辺りを見回すと瓦礫の山でした。

取り敢えず立とうとしたんですけど片足が瓦礫で潰れてて立てなくて…

どうせもう使い物にならないだろうと

そこら辺の鋭いガラスで足を引きちぎったんです。」

ナ「ヒッ…。」

そこまで話した途端、ナオミさんが見るからに怯えていた。

貴「あっ…ごめんなさい、こんなの聞きたくないですよね。

本当に、無理だと思ったら耳塞いでください。」

苦笑いしながら私は言った。

…正直こんな事で怯えられるとは思っていなかった。

ナ「…いいえ、大丈夫ですわ…

ただ、私よりも幼い貴方がそんな…もし自分だったらって思うと怖くて…。」

…普通の女の子はそういうものなのか。

まあ、私は仕事が仕事だから仕方ないけど。

貴「うふふ、でも大丈夫です！ほら、このとうり今は傷一つないんですから！」

そういいコートをずらすと、ナオミさんは少しホッとした表情になった。

話を戻す。

貴「…まあ、そしてそこら辺に落ちていた棒を杖に歩いていたんです。

周りの風景は

瓦礫と死体の山でした。

前を向いても死体。

目を逸らしても死体。

下を向いても死体。

どれも手がもげていたり足がもげていたり顔が潰れて判別不能だったり…

気がついたら海でした。

やっぱり死体しか浮いていませんでした。

…その時、景色が回りました。正確には私が倒れたんですね。

元々生きるつもりもなかったのでそのまま死んでしまおうと思ってたんです。

しかし、ひとりの女性が話かけてきたんです。

名前は…確かウェルズさんだったかな…。」

敦「ウェルズ！？」

ガタッと椅子を揺らして動揺する中島さん。

敦「もしかして、ウェルズさんの異能で来たんですか！？

いや、でもあの人は最長55分しか戻す事が出来ないか…。」


…これは、中島さんもウェルズさんを知っているのか。

貴「それは、私の異能を使ったからです。」

国「お前も、異能持ちなのか！？」

次に驚いたのは国木田さん。

あの、いい加減しゃべらせろください。

貴「はい。私の異能は異能力を操る、

例えば相手の異能の出力を調整したり異能を取り上げたり、コピーしたり…そういうのです。

今回の場合、ウェルズさんの異能力を持っと強力なものにしたんです。


それで此処まで来ました。


過去を、変えるために。


そしてーーーーー。いや、これはいいか。


話は以上です。」

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