兄妹から離れて行くお話 (ページ7)

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兄妹から離れて行くお話⑥ ページ7

そう言って私はナースコールを押した

ナースコールを押すとすぐにナースさんが来て、今の状況やこの病院の説明をしてくれた。ナースさんが帰ったところで兄が本を持ってきているとの事だったので本を読んでいた
本を読み進んで数分したところで兄が目を覚ました
『おはよう兄さん』
私は、今まで一緒にいたのに何故か嬉しくてつい笑顔になった
兄「大丈夫か！？」
『大丈夫だよ笑』
荒れた調子で聞く兄を少し可愛いと思ってしまった
兄「…ごめん」
『なにが？』
兄「俺、お前を守ってやれなかった」
『守ってくれたよ！何言ってんの？笑』
兄「いや、お前に大怪我させちまった」
『そんなの、』
兄「俺、お前の事を強いって思ってた」
『…』
兄「お前ならなんでも出来るって」
兄「だから、放っておいても大丈夫だって」
兄「陽夏は体も気も弱かった。だから俺が守ってやらねぇとってずっと思ってた」
兄「お前が足捻って俺に電話よこした時、俺はお前なら大丈夫あいつなら、ダチに助けてもらえるってそう思ってた」
兄「あの後お前が1人で帰ったことを知って、俺は死ぬほど後悔した」
兄「なんで迎えに行かなかったんだって」
兄「お前は、俺が思ってるほど、強くなかったのに、なのに、」
『う、うぅ』
いつの間にか私は泣いていた
『私、ずっと嫌われてるのかなって』
兄「！」
『私が、お父さんに似てるからお母さんに似てないからってずっと思ってて、』
兄「そんな事ねぇ！」
そう言って兄さんは私を思いっきり抱きしめた

私達の間にはすれ違いが生じていた
最初はとっても小さかったすれ違いが今では身を滅ぼすくらいに大きくなっていた

バタバタバタ
慌ただしく私の妹が走っている音がした

『病院は走ってちゃダメだよ』