絶対的オンナノコ (ページ39)

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お昼を食べて午後授業
佑亮君と会った日は何だか心が穏やかになる

「Aちゃん、そう言えば美味しいチーズケーキの店があるんだけど、行かない？」

「いいね！美味しそう。あたし甘い物大好き」

あたしは相変わらず
チヤホヤしてくれるから、あたしはそれに乗っかるだけ

それを妬ましいと思われるようだけど、それがあたしにとっては快感でなんとも言えない気持ちになる
嫉妬されることは慣れてるから、優越感に浸るだけ

他愛もないことを話しながら、カフェに入った
傍から見ればあたし達はどう見えるんだろう
友達？それ以上？

「Aちゃんチーズケーキでいい？」

「うん」

今日も誰かの好意に甘えてあたしは得をする

本当に可愛く生まれてよかった

「Aちゃん…って、彼氏いるかな」

「…え？」

なんとなく予想はしてた
前川君がお冷をジッと見ながら震える声であたしに言う
もちろん、前川君を好きでも何でもないあたしは断る気満々で

「あ、いや…なんて言うか、俺なんか釣り合うとか思ってないんだけど」

ただちょっと期待させてみるのも悪くないなぁと思ったり
チーズケーキがやって来るまで暇つぶし

「今彼氏はいないんだ。」

「え？本当に？」

「うん。勉強に集中してて出会いがないんだよね」

もちろんそんなの嘘っぱち
そんな言葉も信じてくれる前川君はきっとイイ人
だけどイイ人はイイ人で終わっちゃう

チーズケーキが目の前にやって来てあたしはサッとフォークを掴んだ
前川君はケーキが目の前に来ても手は膝の上であたしのチーズケーキを食べる口元、ケーキ皿を交互に見た

「食べたい？」

長い髪をそっと耳にかけて、少し顔を傾けた
前川君は肩を吊らせてブンブンと顔を横に振って『いらない』と言う

「なーんだ。」

あたしはフォークを止めることなくぱくぱくとケーキを食べ続ける

前川君は硬直したまま動かなくてあたしは半ば呆れてた

「あ、あのッ…」

「ごちそうさま」

前川君とほぼ同時にあたしが言う

「じゃ、ありがとね。また美味しいケーキ屋教えてね」

あたしは立ち上がってバッグを掴んだ
前川君はきょとんとしてあたしを見上げてる
あたしはチーズケーキを食べに来ただけだし
その他の理由はない

「バイバイ」