絶対的オンナノコ (ページ38)

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『市川さんって他人の彼氏寝とるらしいよ』

『お金払ったらヤらしてくれるとか』

『整形してるらしいんだよね』

一週間もたたないうちに噂はいくつも流れて、たみちゃんはグループに戻った

あたしはと言うと、女子は近寄らないけど、男は変わらないかな

「佑亮君、お昼一緒に食べない？」

「断る」

たった二文字
それでも悲しい、寂しいって感情は生まれた

「どうせ１人じゃん」

「うるさいな。」

「１人ならイイじゃん！あたしも１人だし」

「いつもの女子は？」

「もともとそんなに一緒にいないもん」

佑亮君はため息をついて足で向かい側の椅子を押した

それは座れって合図

「やった！！」

「今日だけだからな」

「明日は？」

「話聞いてる？ムリだから」

「なんでよ」

唇を尖らせるようにすると、佑亮君がまたまたため息をついて携帯を弄り始めた

「悪いけど、俺も暇じゃない」

「あ、あたしだって…！」

佑亮君はふと目をまん丸にしてあたしを見た
あたしもつられて目をまん丸にして佑亮君を見つめた

それはほんの一瞬のことで佑亮君はサッと視線を落としてしまった

「明日は、先約があるんだ」

唇を小さく動かして佑亮君が呟いた
あたしは呼吸の仕方を忘れたみたいに黙り込んで、小さく１つ頷いた

「だから、ムリだ」

「わ、かった…じゃあ、明後日ならいい？」

図々しさは天下一品
小学生でこの手の甘えはできるようになったことを思い出した

「…仕方ないな」

佑亮君は口の端をあげて呆れるような笑いを浮かべた