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「ゆーすけ君」
図書室で、眼鏡を掛けてる佑亮君が嫌そうな顔をして席から離れようとした
あたしはそれを腕を引いて止めた
「なんだよ!俺に構うなって」
「勉強、勉強教えてよ」
死ぬほど面倒臭いって顔をされた
それでも、その顔を見るのが好きで、あたしは何度も佑亮君に構うんだから
「断る」
「なんでよ、ケチ」
「君に割く時間はないから」
眼鏡の奥からの視線はいつもの倍鋭くて少しひるんだ
「隣で勉強するくらいはいいよね?」
「…迷惑」
「偶然、隣になったのは?」
「…好きにすれば」
佑亮君の隣に座って、まだ期限が長いから手をつけていなかった課題を取り出した
佑亮君をチラリと見るとなかなか進まない様子
「あ、それ違ってるよ漢字」
「…あ、」
「その上も…」
「うるさいな、自分の課題やりなよ」
「あはは、佑亮君て真面目そうなのに勉強できないんだ」
「あー、うるさい…そんな話しかけるなら…」
「ごめんごめん!あたしちゃんとやるから」
やる気のない課題に目を向けて、書いてるふりをした
佑亮君のペンの音が聞こえてきて静かに目を瞑った
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作者名:ろく。 | 作成日時:2017年8月17日 18時