絶対的オンナノコ (ページ19)

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「連絡先教えて！」

「はぁ？」

携帯を取り出して、福田佑亮の嫌そうな顔をみた

「それくらいイイじゃん。あたしの連絡先なんて知りたくても知ることできない人いっぱいいるんだよ？」

「はいはい。でも俺は別に知りたくないから」

何であたしこんな奴に構ってんだろう
いちいち癪に触る話し方だし
あたしが構ってなんて言わなくても構ってくれる人なんてそこら中にいるし…

きっと、物珍しいからだ
あたしが初めて出会ったタイプだから

「さ、投げて来るかな」

福田佑亮は携帯をポンと置くと、レーンに向かっていった

福田佑亮って案外無防備
携帯をロックを掛けないまま
伏せもしないで歩いていった

あたしみたいな奴、スグ見ちゃうに決まってるのに
携帯を覗き込むと、LINEのトーク画面

『たま』

ネコみたいな名前
トークは普通、何も無い
でも女の子みたい

「ふーん…」

友達２人と、楽しそうにハイタッチをした福田佑亮が戻ってきた

「…お前もやってこれば？」

「え？」

「一応君の分も料金に入ってんだからな」

「はいはい、じゃ佑亮君教えてくれるの？」

「無理」

テーブルに戻ろうとする福田佑亮とすれ違うとき、あたしは振り向いて声をかけた

「ねぇ、『たま』って誰？」

福田佑亮はバッとあたしの方を見て、目を見開いた
慌ただしく視線をテーブルに落としてまたあたしを見た

「君、趣味最悪だな」

「見たくてみたわけじゃないもん」

「はぁ？」

苛立ちを含むこの声も慣れてしまって、鼻で笑った
冷たく私を睨みつけて携帯をジーパンのポケットに入れ込んだ

「『たま』って誰？ネコ？」

「関係ないだろ？」