29 黄木 （k） ページ7
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眩暈も起こらなくなって、外で貧血起こしたらどうしよう。と、少し怖くなっていた外出も普通にできるようになった。
送迎バスの着く公園の角で待っていると、目の前に止まった白いヒツジのバスから元気な２人が降りてくる。
「かずくん！ただいま＾＾」
「おかえりー＾＾」
先生、バイバイ。と手を振る２人の後ろから、ありがとうございました。と、会釈をし、いつも通り３人で手を繋いで帰る。
「ねぇねぇ、公園で遊ぶ？」
まだ遊び足りないのか潤くんが俺の手を引く。
でも、どんどん寒くなってくるしなぁ。と思った瞬間。
「そうしよう＾＾！！」
と後ろから元気な声が響く。この声は…
「雅くん！おかえり＾＾」
「ただいま〜＾＾今帰り？一緒になったね＾＾この公園のイチョウ綺麗に色がついてきてるんだよ。俺チビ達見てるから、和くん見てきたら？」
…。俺がイチョウの木好きなの、なんで知ってるんだろう。。
「行こう＾＾何するー？」
「「砂場ー！！」」
２人の声が揃い、ダッと公園に走っていく。
「翔、はやくー＾＾」
「潤くん、まってー」
走りながら翔ちゃんに手を差し出す潤くんの方がお兄ちゃんに見えてしまう。
翔ちゃんは華奢で色が白いから、男女の双子に間違われたこともあったっけ。。
楽しそうな兄弟達を背にしてイチョウ並木を見上げると、雅くんの言った通り、黄葉した葉がもう散り始めていた。
ベンチに腰を下ろしてもう一度空を仰ぐと、風に舞い上がる黄色がとても綺麗で、向こうではしゃぐ子ども達の声をＢＧＭに、いつまでも見ていられそうな気分になる。
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「和？和か？」
え・・・？
ふいに呼びかけられた声に穏やかだった鼓動が一気に跳ね上がる。
「お、じさん…。。」
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作者名：碧月
作成日時：2012年11月26日 20時
