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父さんは和の腕を掴み、血管が逃げてしまわないように指を添えて針を入れる。
針が腕に沈んだ瞬間、キュっと和の片目が閉じた。
だいぶ緊張してるな。。
「かず？平気？」
頷く和に、胸まで毛布をかけ直し上から手を重ねた。
「ゆっくり入れてくからね、ちょっと我慢だよ。。」
駆血帯が解かれ、目を閉じた和の身体にゆっくり薬液が入っていく。
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小児科とは思えないシンと静かな空間、、時折、和の指先がピクっと動く。
「痛いかな。もうちょっと頑張ろうね。。」
「和。あと半分だからね。」
トントンと胸を撫でているとぱちぱちと瞬きをし、視線が俺を捉える。
「ん？気持ち悪い？」
「だいじょぶ。。」
そう言うとまたスッと目が閉じられた。
「はーい、おしまい。よく頑張った＾＾」
針を抜いた痕に乗せられたコットンを父さんの指が押さえると
自分で押さえようと伸びてきた和の手を、父さんの反対の手がそっとベッドに戻した。
「痛かったね。しばらく押さえてようね。。」
そのまま髪を撫でられると和は父さんと俺を交互に見つめ、毛布に顔を埋めた。
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「よし、もういいかな。シールぺったんしとこうねー。」
止血テープを貼り、服を直して袖のボタンまでとめてやっている。
父さん、俺が言うのもなんだけど、あんまり子ども扱いしてるとそろそろ怒られるかもよ 笑？
まぁ俺からすれば…
お前はまだまだ子どもだと。
守ってやるから少しは頼れと。
父さんの難解なアピールにしか見えないんだけど。
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そう見えるのはきっと、俺自身同じことを思っているからかな。。。
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作者名：碧月
作成日時：2012年11月26日 20時
