rain of light 2 (ページ15)

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俺の目の前を何度か看護師が行き来するのをなにげなく見ていると、
視線を下げたままだった和の首がふっと横に逸れる。

今まであっただろう和の視線の先を辿ると、トレイに入れられた大き目の注射器。

中にはどす黒い鉄剤がきっちり詰められて用意されていた。

あぁ、見せない方がよかったな。。

「和、大丈夫。量が多いだけで、針は細いからね。」

子どもの頃、注射器が大きいと痛そう。小さいのは大丈夫そう。と思ってたのは俺だけかな。
容量が多いだけで痛そうに見えるんだよ。。

「和、大丈夫だよ。」

でも、ごめんね；この薬のインパクトのキツイ黒色のフォローは俺には思いつかない；

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「お待たせ。和くん、ちっくん終わったらみんなで帰ろう＾＾」

持ち物を書類から鞄に持ち換えた父さんが戻ってきた。

「え、父さんももう帰れるの？」

「うん＾＾今日はもう帰るよ。晩ごはん一緒に食べようね。」

嬉しそうな父さんに、和の表情が少しだけ和らぐ。

「横になって打ってもらお？ほら、こっち向いて。」

もう一度和をベッドに横にして、毛布をかけてやる。

反対側の和の腕には父さんの指とアルコールが交互に滑らされて、

難しい顔をしていた父さんだったけど血管を定めた様で、もう一度消毒し直した。

「ごめんね。ちっくんするよー。。」

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