『フィンのうずき』『あたしの疼き』 ページ2
「……どういう事だ?」
フィンの『順調過ぎる』
という疑念に、
リヴェリア様は説明を求める。
「冒険者を集めるにあたって
僕らは三つに別れた……」
フィンは顔の高さに左手を挙げ、3本の指を立てる。
「北門に、『アイズ』と『レフィーヤ』
南門に、『ティオナ』と『ティオネ』
そしてここ……
街の中心に、『僕』と『A』と『リヴェリア』が
取り分け目立つように。
僕とリヴェリアは名も容姿も
オラリオに留まらずよく知られている。
Aに関しても既に有名だ……
『超大物新人』だったり《雷速のルーキー》なんて
呼んでいる団員や街の人々もいる……
つまり、僕ら3人は知られている、その実力と共にね。
僕らなら、たとえ犯人がアイズ並だとしても
捕らえられるだろう。
7人揃えば尚更だ」
リヴェリア様はフィンの話を聞いて閃いた……
「!!
……犯人にそれがわからないとは思えない。
つまり……
[この状況が既におかしいということか]?」
「確かに……逃げ出すならタイミングがおかしいですね。
あたしでしたら早々に街から出ますが……
何故、この状況を作り出したんでしょうね?」
あたしは感想と疑問を述べた。
「Aの言う通り……逃げ出すなら集まり切る前。
何かもう人騒動あるとふんでいたんだけどね」
左手を崩し、膝の上辺りにフィンはそれを持ってくる。
「正体がバレないと高を括っているか、
逃走の機を逃したのでは?」
フィンに考えを述べるリヴェリア様。
「……だと、いいんだけど」
フィンは、凜然たる眼差しで己の左手の親指を視る……
(親指のうずきが止まらない……
何が……何が足りない?
ピースの欠けたパズルをしているような……
この『違和感』は何だ……?)
フィンは思考を続けている……邪魔しちゃダメよね……?
あたしは集まった人々を見渡す……
……ゾクッッッ!!?……
得も言われぬ、悪寒があたしの背筋を走り抜けた……
「……いるわね……この中に……」
あたしの左眼も疼いてきた……
『ウラノツクヨミ』による身体の支配とは違い……
左眼は『開錠眼』による『強制開錠(ステイタス・リード)』
もしくは『時空開錠眼』による『過去の映像』を視ろと、
あたし自身の身体がそう命じてくる……
でも……使わなくても、この事件は解決できる……
今まで、あたしが積み上げてきた経験がそう感じさせた。
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あすと(プロフ) - 鶴さん» 遅くなりましたが……コメントありがとうございます!応援ありがとうございます!! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 28df93bc99 (このIDを非表示/違反報告)
あすと(プロフ) - カフェモカさん» コメントありがとうございます!!無理せず、書きますね。引き続きお読みになって下さると、嬉しいです!! (2019年8月25日 11時) (レス) id: 28df93bc99 (このIDを非表示/違反報告)
カフェモカ - 続編おめでとうございます!次の更新楽しみに待ってますね(^-^) 無理はしないように頑張ってください。 (2019年8月25日 2時) (レス) id: 2e002f590f (このIDを非表示/違反報告)
あすと(プロフ) - 作者です。鶴さん。ありがとうございます。レスがいまだに利用不可能な状態ですので……お許しを……!! (2019年8月11日 7時) (レス) id: 28df93bc99 (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 続編おめでとうございます。これからも応援します! (2019年8月5日 10時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすと | 作成日時:2019年8月5日 0時