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〜交差する絆〜【ユギア】&【リア】 ページ4

【陽の国】

……約10年前

【城内】

「民も騒いでおります
リア様、どうかご決断を……っ」

そう言うのは父の側近の者達だ

父上と母上が謎のウイルスに感染し寝込んでいる間

俺が代役を勤める


普通なら大人達が話合って決めれば良いものの父が

『リアは次期国王となる者
この機会と言っては何だが

わたしの代理を命ずる』


よりによってこんな時に

俺はまだ9歳

回りから見ればただのガキでしかない


それを

落ち着いているだとか
いつも冷静だとかで国王の言いなりを守る大人はどうかしている


内心溜め息をつきながらも

「……少し待てと伝えよ」

と言い席を立つ

「リア様!どちらに……」

「……少し風に当たってくる」


そう言い残し俺はテラスに出る


町全体が見渡せる
俺のお気に入りの場所だ

「……何が、原因なんだ」



町で謎のウィルスが流行り
早1週間がたつ

外傷は見当たらず

感染したものは
数日に謎の死に至る

という事くらいしか
今だに分かっていない

ぼんやりと外を眺めていると

「リア兄」

俺を呼ぶ声が聞こえた

見るとユギアが居て
手紙を俺に差し出す

(……緊急伝達の手紙か)

「ありがとう、ユギア」


手紙を受け取ると
あいつは嬉しそうに笑った

「リア兄ってすごいね

いずれは父さんとおんなじくらいになるんでしょ?」


(……ユギア)

無邪気に笑うあいつを見ると
ついこの状況でさえ忘れてしまう


『癒』の名を受け継ぐ守護神『シラ』
は父の姉にあたる人物

『シラ』の力でこの世に生を宿したこいつ……ユギアなら

もしかするとこの流行り病を……


「……リア兄?
どうかしたの?」


その言葉でハッとする

「い、いや……何でもない」


何を考えているんだ

俺は……

『シラ』が使ったのは己を犠牲にする魔法


そんな事をしたら弟が死ぬ


俺はユギアの肩に手を乗せ
しゃがみこみあいつと同じ目線になる

「……ユギア、父さんではなく父上と呼ぶんだ

いずれ俺の後を継ぐのはお前だ

期待しているぞ」


「任せておいてよ」

威張るユギアに思わず
笑みがこぼれた

交差する絆〜2〜→←堕天使『ユギア』



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作者名:苺ミルククレープチョコアイス | 作成日時:2016年3月30日 19時

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