響く謎の声 ページ29
「気を失ったか」
おれが闘気弾で吹き飛ばした
スクピディアは気絶したようだった。
闘気弾は最小限の威力にしたんだけどな。
《……あの魔族の少女……一人にしておいて……
……よいのか……？》
おれが激しい怒りを覚えたあとから、
脳内に響く謎の声……いったい……この声は……？
……それどころじゃない……！！
おれはトラーシにルーナが居る場所を教えてしまった。
急がないと……！！ルーナが危ない！！
村長も心配だけど……おれには回復呪文は使えない。
それに回復アイテムも持っていない。
ルーナから治り草をもらってから出直そう！！
「『ルーラ』！！」
即行でルーナの家へと移動した。
不幸中の幸いでルーナの家周辺には
まだ炎は迫っていなかった。
おれは家の扉を開けようとして……
ドアノブを右手で回そうとしたけど、
扉は開かなかった……鍵がかかっているようだ。
「ルーナ！！おれだ、ダイだ！！
無事か？無事なら返事をしてくれ！！」
扉の向こうからは声が聴こえてこない……。
その代わりに何か物音がする。
何か焦っているような音が……。
迷う必要はない……！！
「『ドラゴニック・オーラ』！！
扉を、拳で粉々にする……。
『ドラゴニック・フィスト』！！」
竜闘気をまとった右の拳が、鍵のかかった扉を
砕き、殴り壊した。
無数の壊れた扉の破片が屋内へと勢いよく飛んでいく。
「無事か！ルーナ！？」
おれの声に返事はなかった……。
その代わりにベッドの傍で急いで下半身の衣類を穿く
トラーシの姿が視界に入る……。
「……何してるんだよ……あんた……」
温度の低い声でおれはトラーシに尋ねた。
トラーシはイヤらしい笑みを浮かべながらおれに
言葉を返した。
「い……いやぁ……男の性を発散しただけであります」
「腹の傷はどうしたんだ……誰が治した……？」
「自分の『ベホイミ』で……ヘヘっ」
「回復呪文を使えたんだな……お前が計画の首謀者か？」
おれの心がドンドンと黒くなっていくのを感じる。
《……そうだ……その人間は……お前の大切な存在を……
……辱めた……殺すのだ……人間を殺せ……竜の騎士！！》
「！？ルーナを……辱めただって……！？
うっ……！？なんなんだよ、この声……？
おれの心が……乱れていく……！！」
「そ……それでは私はこれで……ヘヘっ」
そそくさと逃げようとするトラーシを……
「……待てよ……」
おれは呼び止めた。
そして……おれの竜の紋章に異変が起きた……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あすと(プロフ) - やっさんさん» 申し訳ないことに、たいした秘密ではありませんが（笑） (2022年11月20日 6時) (
レス) id: 53a773bcd5 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - あすとさん» おっ！ついに、エデンの騎士の秘密が、明らかになるのか😀❓ (2022年11月20日 6時) (レス) @page41 id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
あすと(プロフ) - やっさんさん» コメントありがとうございます。奴らの余興はまだ始まったばかりです……。引き続き宜しくお願い致します。 (2022年11月4日 19時) (レス) id: 53a773bcd5 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - あすとさん» 余興って、このことだったのか😡💢。この、愚か者ども〜💢💢。 (2022年11月4日 19時) (レス) @page25 id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
あすと(プロフ) - やっさんさん» コメントありがとうございます。『こみゅ〜』の方でやっさんさんのメッセージを受け取れるように修整しましたので、文字数など不便を感じましたらそちらへどうぞお願い致します。ラスボスかどうかはノーコメントってことで(笑) (2022年10月25日 12時) (レス) id: 53a773bcd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あすと | 作成日時：2022年10月20日 18時
