決裂 ページ30
「お前も行くだと？」
オレは竜の騎士の代行者
Aに問う。
「はい！足止めなら私もできます」
「……足止めができる程度の自信では、
下手したら死んでお終いだ。
お前はヒュンケル達と共にいろ」
バラン様の遺言を守るには、
この少女を……Aを危険に晒すわけにはいかない。
いつでも、オレが守れる状況を維持するのが１番だ。
「しかし……。
村の方々の命が危ないではありませんか！」
「村人の命よりも、紋章を持つ者……お前の命の方が重い」
「！？ラーハルトさん……」
Aの顔に驚きと軽蔑の色が見てとれる。
……これでいい。オレがどう思われようと、
守るべき者を守れるのなら……。
「……時間が惜しい。オレは行く。
ヒュンケル。そいつを行かせるなよ」
「ラーハルト……」
右手に新たな鎧の魔槍を携えて、
オレは客室の窓から外へと飛び出した。
……冷たい視線を背に受けながら……。
＊＊＊＊＊
「ラーハルトさんが、あのような考えの方だったなんて……」
「A……。彼は……」
「エイミ！」
ヒュンケル様が大きな声で、
エイミさんの言葉を遮りました。
「……それ以上は言うな」
「はい……」
？それ以上って何でしょうか。
私はたった今、ラーハルトさんに幻滅したところで、
それなりにショックを受けているのですが……。
あぁ〜！ムシャクシャします！
この鬱憤を晴らしたい！
「やはり、私も行きます！
あの人は西へ向かいました。
私は東へ向かいます！」
「ダメだ！行くな、A！」
ヒュンケル様が私を静止します。
「１秒の差で、人の生死がかかっている中で、
私は黙って待っているなんてできません！」
私が窓から飛び出そうとすると……。
私の左手首をヒュンケル様が右手で強く握りました。
ふいに胸がドクンッと波うちました。
「君には大きな使命がある。
……しかし、今の実力では命の危険性が高い。
ここは堪えるんだ」
「ヒュンケル様……」
私は一時黙りましたが……。
「どのような使命か知りませんが。
人を見捨てるための使命なんて、
私には必要ありません……！！」
ヒュンケル様の右手を振り払い、
私は宿屋の外へと飛び出しました。
「A！！」
ラーハルトさんも、ヒュンケル様も……。
幻滅しました……。見損ないました……！
人の命を見捨てていいわけがありません……！！
私はランカークス村の東側へと駆けて行きました。
……私の身を案じる視線を背に受けながら……。
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あすと(プロフ) - やっさんさん» コメントありがとうございます。原作の設定が色濃く出ていますか？それなら喜んでいいのでしょうか？ありがとうございます。この先はありがちな王道展開がありますが……どの程度の表現にしようか迷っています（苦笑） (2022年2月9日 21時) (
レス) id: 53a773bcd5 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - ・・・😑。3賢士なんだか、きな臭い(ーー;)。権力の中枢が、ドロドロの、メチャクチャ、これは、原作の、設定を色濃く出していますね(^^♪。なんだか、ヤバそうだぞ(ーー;)。 (2022年2月9日 21時) (レス) @page48 id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あすとさん» はい！応援しています！！！ (2022年2月9日 19時) (レス) id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
あすと(プロフ) - みおさん» ありがとうございます。それでは予定通り進めますね。よろしくお願いします。コメントはこれからも自由にしてください。 (2022年2月9日 17時) (レス) id: 53a773bcd5 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - あすとさん» そ、そんな！！変なコメントしてしまいすみません…あすとさんの作品が私は大好きなのでこれからどんな展開でも見ますから！！安心して下さい！！それと更新頻度が早くてもう超嬉しいです！！無理しないでくださいね！！ (2022年2月9日 9時) (レス) @page47 id: 8246f3ea16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすと | 作成日時：2021年10月10日 1時
