マイペースな梶原くん (ページ35)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:3,657 hit

ある朝ページ35

朝。
低血圧で朝起きるのが苦手な僕が、今日は界人に起こされずに起きた。
それだけだったら、良かったねで済ませられるが。
あいにく今日は頭痛が酷い。
熱はないと思うんだけど…………。
そう思いながら体温計を挟む。
ピピッと音がなり、見ると37.6℃。
んー、微妙!
そういえばここしばらく薬飲んでないっけ?
病院行かなきゃな。

そう思いながら学校に行く準備をして、体にできるだけ負担がないようにスウェットとパーカーを着る。
ゼリー飲料と市販の頭痛薬を流し込み、リビングの机に「日直なのを忘れてた。学校行ってます。A」というメモを置いておいて家を出る。
始発に近いガラガラの電車に乗り学校に行く。
学校に着いて、しばらく渡り廊下の隅で時間を過ごし、教室に入った。

授業をなんとかこなし、家に向かう電車に乗っているときにふとスマホを見ると、界人からメールが来ている。
「家の前で待ってる。」
家の前で?なんで?と疑問を持ちながら、家につくとほんとに界人がいた。
『界人ー!ただいま!どした?』
石「おかえり、A。これ見て。」
と見せてきたのは界人のスマホ。朝のんだ頭痛薬のゴミと体温計が無造作に置かれている、僕の部屋の机を取った写真だった。
あちゃー、バレてたか。
ちらと界人の表情をうかがうと怒ったような、悲しんでるようなそんな表情をしている。
『隠すつもりはなかったんですけどね。』
石「いや大有りでしょ、嘘までついてよく言えるね。」
これは本当に怒ってんな。
僕はふぅーと息をつく。
『どうするつもりですか?』
石「最近、病院にいってなかったでしょ。ついていくから、」
逃げようとしていた僕の手をグッとつかむ。
『んッ!?』
石「一緒に行こう。」
イヤーマフをつけていない無防備な僕の耳元で囁かれる。大人ってこわい。