マイペースな梶原くん (ページ27)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:3,649 hit

科学の授業ページ27

『ここの部分を小麦粉に…………』

僕は今、科学の授業を受けている。
この学校には理科とは別に「科学」という科目がある。
決まった期間にチームで科学の実験や議論などをして、結果を発表し合うという授業だ。
このチームというのはクラスの中で10人ずつのチームにランダムで振り分けられる。

前回の授業で先生が、今度の実験のテーマを各自決めてくる、という課題を言い渡した。
もちろん僕は、岩石の実験を考えてきた。

僕が入っているグループは、Bグループ。
高校生が4人、中学生が6人。
その中で、高校生の一人が喋り始めた。たしか、田中センパイっだったっけ。
田「じゃ、えーとテーマ考えてきた人、いる?手を挙げて。」
僕を含めて、ふたりだけ、手を挙げた。
もう一人の人は、望月く、センパイ。そういえば一緒のグループだっけ。
望「あっ、僕はいいよ。」
田「望月、はいいのか。じゃ、梶原。なんのテーマにした?」
うおっ、急に僕に振られた。
『えーと、僕のはインターネットで見つけた片栗粉でできる柱状節理の実験です。僕は玄武洞を想定してますが。』
へー、柱状節理。という声がどこからか聞こえてくる。
『片栗粉じゃない粉末じゃだめなのか、どのような条件で六角柱になるのか調べたいです。』
田「じゃ、それでいいや。みんなもそれでいいな?」
はーい、という声が聞こえる。

実験の、僕が考えた実験が受け入れられたことはとても嬉しい。
でも何より嬉しかったのは、そのあと
望「梶原、やるじゃん!」
って声をかけてもらったことだった。