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2人の会話は盛り上がったとは言えないが、それでもそれなりに話はした。
テーブルの端に置かれたスマホの画面に視線を向けた後、彼は声のトーンを少しだけ変えた。
「あれ。もうこんな時間なんだ。しょーくん、仕事大丈夫？」
「あ…そうだな。そろそろ行こうか」
「うん」
この後俺は仕事に行かなければならない。
事務所に少し寄って、そのままテレビ局へ行ってレギュラー番組の収録をする。
そんな代わり映えのない日常に戻っていく。
25年以上続いてきた日常に。
彼にもあったはずの、でもあの日突然奪われてしまった日常に。
「しょーくん、忙しいのにありがと。身体気を付けて、仕事頑張って」
「ん。お前も身体大事にしろよ。あと、兄さんにもよろしく」
「伝えとく」
車の助手席から降り、開いた窓から少し顔を覗かせて手をひらりと振ると向きを変え歩道に上がる。
たったそれだけの動作なのに。
ゆっくりとゆっくりと。
切なさのような感情に押されて、思わず声が出る。
「…っまたな！」
「…じゃあね、しょーくん」
返されなかった再会を約束する言葉。
一瞬だけ見えた光のない瞳。
失ったものの大きさに今やっと気付く。
そんなどこまでも愚かな自分は、ただただ左右に揺れる華奢な背中を見送ることしか出来なかった。
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はちこ(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます！リアル設定…他よりもさらに残念クオリティで申し訳ありません(´o｀；ゆるーくお付き合いいだだけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2020年10月14日 10時) (
レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます☆リアル設定の話好きなのでリアル設定の話もあって嬉しいです☆これからも楽しみにしてます(^-^) (2020年10月13日 22時) (レス) id: f4ca038df0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年8月3日 18時
