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ざっと買った物を冷蔵庫にしまうと、まずは着替えをしようと自室へ向かう。
２階に上がると、斜向かいの長兄の部屋から物音が聞こえることに気付き、廊下から声をかけた。
「いちにー、ただいまー」
「おー、おかえりー。わりぃ、ちょっと仕事終わんないから待っててなぁ」
「いいよー。ゆっくりやってー」
一郎の仕事は忙しい時とそうでない時の差が激しい。
本人の進め方の問題もあるのだろうが、忙しい時は文字通り寝食を忘れ、部屋に篭りきりになることもある反面、余裕がある時は、ふらっと釣りに出掛けたり(そしてなかなか帰ってこない)、和室やリビングのソファでひたすら惰眠を貪っているという位極端だ。
最近は何やら仕事が立て込んでいるようで、自室に篭っている時間が長いが、まだ食事時や双子が学校から帰宅する時間は下りてくるのでマシなのだろう。
今日は五郎の帰宅時間がイレギュラーだったため、出てこられるタイミングではなかったようだ。
「さてと。作るか」
着替えを済ませ、念入りに手洗いうがいをすると、紺色のエプロンをつける。
まずは、唐揚げの下味をつけるところから。
肉を適当な大きさに切り、調味料を入れたボールへと入れてよく揉み込んで、ラップをしたら冷蔵庫へ。
その後は、ハンバーグのたねを作り、チキンライスの具を炒め、カキの下処理をする。
料理は好きだ。
いろいろなジャンル、いろいろな材料や器具や調理法。
覚えることはたくさんあるし、アレンジ次第でどんどん世界が広がって行く。
凝り性な自分にはなかなか向いているのかもしれない。
それに大好きな人たちの喜ぶ顔を見られるのが、何よりうれしい。
幼い頃から、あまり外に出て遊ぶことが出来なかったこともあり、幼稚園や学校から帰ってからは、母親がキッチンに立つ姿をずっと見ていたし、手伝いもよくさせてもらった。
母が亡くなって、料理の担当が一郎に変わってからも、変わらず手伝いは続けていて、気付けば自分の方がキッチンに立つ時間が長くなってきている。
毎日の食事も出来る限りていねいに作っているつもりだ。
でも今日はせっかくこれだけ時間がある。
兄弟全員の好物を作れる機会なんて、そうはないのだから。
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にひひ - とっても面白かったです！ありがとうございました。 (2020年8月1日 7時) (
レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» お待たせして、申し訳ありません。ご希望に添えたかどうか不安ですが…リクエストありがとうございました。 (2020年7月31日 18時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストです。雨の日に発作が起き家の治療でも治らず病院へ発作が収まり家に帰るとまた発作がというお話をお願い致します。発作はどっちも大きいものでお願いします (2020年7月24日 17時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» ご期待に添えるものが書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければリクエストお受け出来ます。 (2020年7月23日 21時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストいいですか？ (2020年7月23日 15時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年4月23日 20時
