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「ねぇ…俺がこんなだから、にぃ達は、やりたいことやれないの？…だったら俺が、いなくなればいい！？俺さえ、いなければみん」
「違うっ！！それは絶対に違うっ！！」
三郎の鋭い否定の言葉が響く。
「そんなわけないだろ！お前の所為では絶対にない！俺が考えて俺の意思で決めたことだから、五郎の所為なんかじゃない！」
「だって！俺の、喘息が、あるから、諦めるん、だろ！？俺の…所為、じゃん…」
「五郎、一回落ち着いて。ここ座ろう」
大声で叫び続けたことで若干呼吸の怪しくなってきた五郎の後ろに回り、背中を撫でながら、一郎は五郎に椅子に座るよう促す。
ちらりと三郎に目線をやり、彼にも一旦落ち着いて座るよう目で訴える。
「ごろ、ゆっくり息して。今あったかいの何か入れてくるから」
「………」
俯き、膝の上に置かれた両手にぐっと力を入れたままの五郎。
三郎は自分で少し落ち着けているようなので、その肩をぽんと軽く叩いて、一郎はキッチンへと向かう。
「ごろちゃん、誤解させるような言い方してごめん。でも、これは本当にごろちゃんの所為じゃ…」
「俺は、諦めないで、欲しい。俺も一緒に、方法考える。調べれば何か…いい方法が見つかるかも、しれないじゃん。やれること全部、やってから、言ってよ…」
「そうだね。確かにそれは五郎の言う通りだな」
「いっちゃん…」
ホットミルクの入ったマグカップを両手で包むようにして持ち、カップの淵に唇をつけたまま話す五郎の姿は幼い。
それでも、三郎を説得しようと出てくる言葉は力強ささえ感じられ、一郎はそれに大きく頷きながら同意した。
「さぶ。いろいろ足掻いてそれでもダメなら、考えよう。何もしないで諦めるのは、俺も賛成できない」
「……分かった。ありがとう、ごろちゃん。俺いろいろ調べてみるよ」
「ん！俺も手伝う」
「頼もしいな〜」
「よし！俺早速調べてくる！」
まだ少し戸惑いの残る表情とは裏腹に、その目には先程まではなかった強い光が戻っていた。
三郎は何かを吹っ切るかのように、勢い良く立ち上がるとドタバタと自室へと走っていく。
それをニコニコ見つめる五郎の頭をわしゃわしゃとかき混ぜながら、一郎は思いがけず感じられた末弟の成長にひそかに頬を緩ませたのだった。
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にひひ - とっても面白かったです！ありがとうございました。 (2020年8月1日 7時) (
レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» お待たせして、申し訳ありません。ご希望に添えたかどうか不安ですが…リクエストありがとうございました。 (2020年7月31日 18時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストです。雨の日に発作が起き家の治療でも治らず病院へ発作が収まり家に帰るとまた発作がというお話をお願い致します。発作はどっちも大きいものでお願いします (2020年7月24日 17時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» ご期待に添えるものが書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければリクエストお受け出来ます。 (2020年7月23日 21時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストいいですか？ (2020年7月23日 15時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年4月23日 20時
