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「ごろくん、素直に言えばいいじゃないですか。愛しのじろ兄のために焼いたクッキーだって」
「あっ！ちょっ！ばかしろ！何で言うんだよ！」
「だってこんな可愛いごろくん、俺だけの秘密にしておくのはもったいないから〜」
「うるせー！しろ、本当黙れっ！」
「そっか！だぁから、さっきいい匂いしてたんだね〜ごろちゃん、可愛いなぁ〜」
「ごろ、お前可愛いなぁ」
「〜〜〜っっっ！！」
照れ屋な五郎は、兄弟の中で人一倍大変な思いをしている二郎に、なかなか素直に感謝の言葉も励ましの言葉も伝えられないから。
疲れた時には甘い物！という思考の元、簡単につまめるクッキーを焼いて渡すことを考えたのだ。
ただそれも、他の兄弟に知られては恥ずかしいからと、なるべくこっそりと作業したつもりでいたのだが、双子の兄には全てお見通しだったらしい。
努力の甲斐なく、片割れにあっさり秘密をバラされ、不本意な褒め言葉を連発された五郎は完全に機嫌を損ね、足音荒く自室へと籠ってしまった。
それでも兄達の顔のニヤけは収まらない。
「じろくん喜ぶだろうなぁ」
「なんせ、可愛い可愛い末っ子の励ましのラブレター付きですからね」
「じろちゃん、鼻血吹くんじゃないのー？」
「デレッデレな顔で読んでる姿が、簡単に想像できますね」
「確かに」
当事者不在のまま好き勝手言い合い盛り上がる中、一郎は優しい手つきで、荷物の1番上に紙袋を置くと、しっかりとチャックを閉めいつも通り玄関先にバッグを置いた。
しばらくすると、聞き慣れたエンジン音と共に、携帯に二郎からのメッセージ。
荷物ありがとー！
無事受け取りましたー
それに当たり障りなく返信しつつも、どうしても顔がニヤけるのを止められない。
次の返事はいつ来るだろう。
興奮気味に自撮りなんかのせて送ってくるだろうか。
それとも、冷静を装った長文で返してくるのか。
どちらにしても、きっと大喜びでクッキーを味わう二郎の姿を想像しながら、一郎は籠城してしまった五郎の元へと向かった。
「なぁ、ごろー。おいらの分のクッキーはー？」
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にひひ - とっても面白かったです！ありがとうございました。 (2020年8月1日 7時) (
レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» お待たせして、申し訳ありません。ご希望に添えたかどうか不安ですが…リクエストありがとうございました。 (2020年7月31日 18時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストです。雨の日に発作が起き家の治療でも治らず病院へ発作が収まり家に帰るとまた発作がというお話をお願い致します。発作はどっちも大きいものでお願いします (2020年7月24日 17時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
はちこ(プロフ) - にひひさん» ご期待に添えるものが書けるかどうか分かりませんが、それでもよろしければリクエストお受け出来ます。 (2020年7月23日 21時) (レス) id: fdcdcf1450 (このIDを非表示/違反報告)
にひひ - リクエストいいですか？ (2020年7月23日 15時) (レス) id: 6032ca778f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はちこ | 作成日時：2020年4月23日 20時
