Honeysuckle２ (ページ1)

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夏の思い出１ページ1

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羨望嫉妬興味好意諦念自責

当時の自分がどんな感情であの場にいたのか

今となってはもう分からないけれど

「ねーねー、しろちゃん！今度の試合、先発なんだって！？」

「うっそ！凄いじゃん、しろう！試合いつ！？応援行こう、応援！」

「何で知ってんすか…つか、ただの練習試合なんで応援はいいです」

「えー！いいじゃん、行かしてよー！折角の晴れ舞台！今後ないかもしれないしさー」

「黙れ三郎」

ある日の夕食後。

テレビの前で贔屓の野球チームの試合に一喜一憂していた三郎の一言から始まったやりとり。

盛り上がる次男と三男を、四郎は手元のゲームから顔も上げずにあしらう。

「でも普通にすげーじゃん。応援行ったらマズいんか？」

「マズくはないけど…」

「じゃあ、いいじゃんか。よし決まり！」

「決まり決まり～！で、いつ？」

「おい」

なかなか素直に首を縦に振らない弟に、半ば強引に話をつける一郎をジロリと睨む四郎だが、その目にあまり迫力はない。

四郎はただ単に恥ずかしいだけなんだろう。

その証拠に、サイドの髪から覗く耳がほんのり赤い。

しろも可愛いとこあるよな～

五郎はそんなことを思いながらも、何故か会話に入ることが出来ず、黙々と後片付けを進める。

わいわいと賑やかな4人の声をBGMに、ふと数年前の出来事が頭を過ぎった。

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