【刀剣乱舞】神楽の真意【原神】 (ページ3)

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そんな世の中を見てきたからこそ、神楽の真意は人間の傍で見守っていた。だからこそ、神楽の真意は人を憎み、人を慈しんでいるのだ。

『ふむ……そうじゃったか。のう、そこの子狐よ』

こんのすけ「ッハイ！！」

どろん、と現れたこんのすけに陽は驚愕の声をあげる。実はこんのすけはつい先程から、丁度神楽の真意が舞い終わった頃、此処にやって来ていたのだ。

この離れの状況を打開しようと六振りの刀を置き、審神者説明書を持ってこようとした時に神楽の真意が現れたと言う事だった。『管狐』である「こんのすけ」に対し、『雷神の眷属である九つの尾をもった大巫女である八重神子の力』を受け継いでいる「神楽の真意」では格も位も違う。

こんのすけは彼女に微かながらも恐怖を感じていた。しかし手違いで此処にきてしまった審神者と言う事を知り自身が恐怖に侵されてはならないと決めたのだ。

神楽の真意はそれを感じ取ったのかこんのすけに敵意や殺気を向けなかった。

『陽よ、汝はどうしたい？』

陽「？どうしたい……ですか？」

その言葉に神楽の真意は頷き、自身が感じ取った事を話し始める。

『此処にいる奴らは皆、人間(・・)と言う存在ごと忌み嫌っとる。そんな状況下で陽は、汝は此処に留まるのか？少し間違えた瞬間、汝の頸が斬られるとしてもじゃ』

陽「っく、頸がっ……？」

『何を驚いておる、ブラック本丸と言うモノはそうでは無いのか？少なからずこの本丸は、この離れからでも分かるほど濁った神気で満ち溢れておる。それほど彼らは憎しみを覚えているのじゃ』

淡々と告げられるその言葉に陽とこんのすけは困惑、恐怖が隠せない。しかしこれは彼女なりの優しさであった。この程度で諦める様ではこの先、この本丸で生きてけないと。

『新しく始めるか、審神者を辞めるか、それとも続けるか……汝はどうする？』

わざと自分が付いていくことを言わないのは彼女なりの意地悪だ。どっちに転んでも驚かせれる様にと、この緊縛した空気を解放できる材料にする為にと。

神楽の真意がそう言い終わると同時に、陽は深呼吸を始めた。三秒吸い、三秒止め、五秒かけ息を吐く。彼女のルーティン。
そして彼女は真っ直ぐな目を神楽の真意に向けてこう言った、「私は此処に残ります」と。

その言葉に神楽の真意は口角を上げ、彼女に手を差し出す。

『妾のお気に入りの童よ、ほれ、手を取るんじゃ』
─プロローグ─ 「完」