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そんな考えが公爵様に伝わったのか、ハイライトを失くした瞳でこちらをじっと見られる。
「アンタが、俺にだ」
『……ん?え?』
まさかそんな事を言われるとは思ってもいなかったからかアホで間抜けな声を出してしまう。
何で?私が公爵様に飽きる?そんなこと
「そんな事あるわけない、って?俺をおいて此処から出て行こうとしたくせにか?」
声に出ていたのか、エスパーなのか、声に出した覚えはないし口も閉ざされたまま。とりあえず公爵様はエスパーだと思う。だって今日此処から出るだなんて言ってない。
もはや恐怖である。
「俺はアンタを此処に縛り付ける事だってできる。答えを間違うなよ?」
脅迫では?
そんな声は声にならず空気に消えていった。
「まず、俺に飽きたのか」
先程とは違う疑問符のついていない言葉に凍りついてしまう。
しかし答えないとやばい、そう脳が危険信号を出している。
『私が公爵様に飽きることなんてないです!、……ただ、』
「ただ?」
『ただ、…嫌われていると気づいちゃったから、』
「…………は?」
私の言葉に眉を顰める公爵様。
何か言ってはいけない事を言ってしまったのだろうか。圧が強い、押しつぶされてしまうかと思った。まじでやばい、そう思った。
何か言わなければ、そう思いできる限り穏便に済ませようと言葉を選ぶ。
『公爵様に好きって言うと、迷惑そうになさっていたので…………、迷惑をかけるくらいなら此処から出たほうがいいのかなって、思いまして。刑期も終わっていましたし、ちょうどいいかなァーーって、』
この言葉はきっと震えていただろう。
だって何か言葉を発するなり顔が般若のようになっていくのを見て、震えないはずがないだろう………?
震えないあなたは人間じゃないですね、もう一度人間になってください。
そんなふざけたことばかり考えてしまうのは私のせいではありません。
まじで怖い。ちびりそう、つかちびった。
「迷惑、ねぇ。Aチャンや」
そう言葉をかけられると顎を掴まれて強制的に公爵様の方へと向かされてしまう。
アッッッッッッカオガイイ。
「俺がどれだけ我慢をしてきたか、…………教えてやろうか?」
そう言いギラギラとした目でこちらを見てくる公爵様。
顔が良い上に声も良い。
耳元で聞いたら耳が妊娠してしまいそうなほど顔が良い。
そんな公爵様を間近で見てしまった私の意識はだんだんと薄れていった。
彼が笑っているのを最後に。
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サムゲチャン(プロフ) - 初コメ失礼します!リオセスリのとても良かったです🥹速攻お気に入りに追加させてもらいました‼️更新の方楽しみにしております‼️更新頑張って下さい☺️🎶 (2月13日 21時) (レス) id: 8bee9156c8 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花田ろふ(プロフ) - かなさん» かなさん初めまして!!すれ違いって良いですよね(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎大人気放浪者٩( ᐛ )و早めに出せる様に頑張リマンボス (11月26日 14時) (レス) @page6 id: a424996c4a (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初コメ失礼します!こういう勘違い?すれ違い?みたいな甘酸っぱい恋、大好物なので美味しくいただきます🤤しかも次は推しの放浪者くん…うへへぇ、🤤更新頑張ってください💪 (11月26日 8時) (レス) @page6 id: 97a0e620ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘆花田ろふ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=rokata
作成日時:2023年11月16日 20時