泡沫の約束 ページ21
お母さん………
??「お父さんも嬉しいと思ってるよ!」
どこからだろう。お母さんの声がする。
目を開ければ周りが温かい色に包まれている。
A「お母さん?」
紗夜「A〜!!」
振り向けば手を振っているお母さんが居て、心は温かいのに涙が出てきた。
A「お母さん!!」
紗夜「よしよし、大丈夫。泣かないで。」
抱きしめてくれた手と撫でてくれた手が温かい。
A「どうしたらお父さん寂しいって顔しない?お花みたいな笑顔になってくれる?」
紗夜「A。まずはAの笑顔を見せてあげて。お父さんはAの笑顔が大好きなの。」
A「うん。でも…」
紗夜「Aのせいじゃない。お父さんだって分かってる。」
A「お母さんも?」
紗夜「お母さんも。Aのせいじゃないよ。Aは何も悪くない。それに、Aの笑顔はみんなを幸せにする不思議な力があるの。だから信じて?!お父さんをきっと笑顔にできる。」
A「自信ないよ…」
紗夜「大丈夫。私も傍にいる!それと、Aにお願いがあるの。」
A「なに?」
紗夜「私はもうあなた達の所には戻れない。だからその代わり、Aがずっとお父さんの傍に居てあげて。これはお母さんとの秘密の約束。」
A「……分かった。お母さん、大好きだよ。」
紗夜「私も。愛してるわ。」
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作者名:緋色 | 作成日時:2021年10月3日 18時