20 ツリーの下 (N side) ページ20
クリスマスが近づくと、マニラの風景が変わる。
「世界一長いクリスマス」
と呼ばれる、ここフィリピンのクリスマスは、9月から始まり2月まで続く。
だけど、やっぱり12月が一番、街が華やかになる。
通りにはクリスマスのライトアップが施され、パロルという星や花をかたどった
カラフルなデコレーションがきらめいている。
耳を澄ませば、クリスマスの音楽や、キャロルを歌う子供たちの声が響いてくる。
うちはキリスト教徒ではないので、あまり関係ないのだけど、家族と使用人だけで
ささやかなクリスマスパーティをすることになった。
みんなでごちそうを食べて、プレゼントを交換する。
使用人たちには、大量の日本のお菓子や雑貨を配って、大喜びしてもらった。
翔さんも、もちろん招待していた。
翔さんは、食事中、父親や潤くんと愛想よく話しこんでいた。
だけど、俺が見ているのに気付くと、笑って立ち上がり、
「これ、ささやかだけど、ニノに。」
と言って、プレゼントをくれた。
開けてみると、きれいな小鳥の柄のついた、貝細工のコースターだった。
生活が楽ではないだろうに、ちゃんとプレゼントを用意してくれた。
その気持ちが嬉しくて、
「ありがと。」
とお礼を言った。翔さんは、
「今日は珍しく素直だな。」
と笑って言った。
食事が終わってから、大きなクリスマスツリーに隠しておいた
プレゼントを取りだした。
みんなの前で渡すのが恥ずかしくて、翔さんをツリーの下に
引っ張って来て、プレゼントを渡した。翔さんは大きな眼を見開いて
「俺にもくれるの？ありがとう。」
と言って受け取ってくれた。翔さんに似合いそうな、日本製の腕時計だ。
翔さんは、
「嬉しいよ。ニノ。大好きだよ。」
と言って、俺の方にかがみこむと、不意に唇に軽くキスをした。
翔さんは、驚いている俺を見て、ふふっと笑うと、頭をぽんと叩いて去っていった。
思わず、誰かが見ていなかったかと見まわしたけど、大きなツリーのおかげで
誰にも見えなかったようだ。
少しほっとしてうつむくと、唇に翔さんの感触が残っていた。
このクリスマスの日のことは、何年も忘れられなかった。
翔さんは、この日、とびきり格好よくて、紳士で、完璧だった。
俺はそんな翔さんに可愛がってもらえることが、ただ、純粋に嬉しかった。
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鏡音翔也(プロフ) - ロディさん» おはよ♪うん、近いんだ〜(´Д｀;)ロディさんも仕事とか、頑張ってね!あと、体調も気をつけて! (2013年2月2日 8時) (
レス) id: c591671296 (このIDを非表示/違反報告)
ロディ(プロフ) - 鏡音翔也さん» そっか、テスト近いんだ？勉強頑張ってね(^^)/ (2013年2月1日 22時) (レス) id: 462827a2f8 (このIDを非表示/違反報告)
鏡音翔也(プロフ) - ロディさん» そうだよね、心配。俺も受験が心配(笑)毎日３時間だったんだけど、テスト近いから５時間ぐらいだよ(´Д｀;)これから、勉強してくるねb (2013年1月31日 21時) (レス) id: c591671296 (このIDを非表示/違反報告)
ロディ(プロフ) - 鏡音翔也さん» 本当だ！家庭教師なんだね〜。すごいけどちょっと心配。。 (2013年1月31日 21時) (レス) id: 462827a2f8 (このIDを非表示/違反報告)
鏡音翔也(プロフ) - ロディさん» あ〜、おやつね☆観てて、おいしそうって思っちゃう(笑)ちょっと羨ましいな♪あ、そうそう。翔ちゃん4月からのドラマ、決まったんだってね。忙しいのに…大変だなぁ(・・;) (2013年1月30日 21時) (レス) id: c591671296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロディ | 作成日時：2012年12月5日 2時
