My life

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「………」
　


　
『Aちゃん？』
　


　
思いもよらない彼の言葉に頭がついていけない…
　


　
「…芸能活動って…芸能？…稜雅さん…芸能人なんですか…？」
　


　
『うん…』
　


　
『あんまりテレビ見てないってAちゃん言ってたから信じてもらえるかわからないけど…』
　


　
『ネットで検索したら色々出てくると思う』
　


　
ネットで検索？船津稜雅さんを？
　


　
テーブルに置いたスマホに手を伸ばすと
　


　
『あっ！今は検索しないで…僕が帰った後にしてほしい』
　


　
彼の大きな手に掴まれた
　


　
大人しく手を下げるけど、手は掴まれたまま
　


　
『メインダンサー＆バックボーカルで音楽の仕事させてもらってて…僕はメインダンサーで…』
　


　
『僕達は東京ドームでライブする目標があって…メンバーとファンの人達とスタッフの方達で一緒にその目標に向かって頑張ってる』
　


　
　


　


　


『……僕の仕事聞いて…どう思った？』
　


　
こんなに真っ直ぐ私を見つめてくる彼は初めてで
　


　
まだ整理のできてない頭で考えるけど、
　


　
1番に思ったのは
　


　
「……稜雅くんが芸能人で…ファンの人達がいるのなら…」
　


　
「私と会わない方がいいと思います」
　


　
　


　


2人で映画を見て、街中で普通に並んで歩いて、手を繋いで、ケーキを食べて、家にまで入って…
　


　
もしこの中の瞬間を週刊誌に撮られていたら
　


　
ファンの人達も傷付けてしまうし
　


　
なによりも彼の迷惑になってしまう
　


　
稜雅くんの事…好きだから…
　


　
彼の目標の邪魔になるのだけは嫌だ
　


　


　


　


「稜雅くん」
　


　


　


「もう会うの……やめましょう」
　


　


　


　


　


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