My life

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「船津さん」
　


『はい』
　


「あ、すみません。呼んでみただけです」
　


ニコリと微笑むと彼もまた優しく微笑んでくれた
　


『あっ！しまった…これから仕事で…また今度、傘返しにお店伺います』
　


「はい、わかりました。お仕事頑張ってきてください」
　


彼はコクリと頷くと人混みの中に消えて行った
　

　



まさかこんなタイミングで出会ってしまうなんて
　


「船津…稜雅さん…」
　


彼の事はまだ名前を知ったばかりなのに
　


どんな性格で何が好きで何が嫌いなのか
　


趣味や特技、仕事は何をしてるのかさえ知らない
　


それなのに…
　



どうしてこんな気持ちになってしまうのだろう
　


「ダメだよ…好きになんてならない」
　


ポツリと自分に言い聞かせるように呟いた
　


　


　


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