65話 ページ34
｢ここまでで大丈夫です。｣
佐藤さんに説教を受けている亡霊どもを後にし、私は高木さんにマンションの入口付近まで送ってもらった。
｢そうかい?･･･じゃあ気をつけてね。一応事情聴取は明日か明後日になると思うから、分かり次第また連絡を入れるね。｣
｢はい、ありがとうございました。｣
｢いえいえ。｣
｢･･････高木さん。｣
｢?｣
｢あの･･･萩原さんと松田さんって･･･｣
｢あー、そういえばまだ会ったことなかったね。あの2人は以前君も巻き込まれた爆弾事件の被害者なんだ。僕や佐藤さんも知らなかったんだけど、上層部の方が各方面に情報統制して2人の存在を隠していたみたいなんだ。｣
──そんなわけない。
だって、2人ともほぼゼロ距離で爆発に巻き込まれたんだ。
生きている方がおかしい。
｢警察も･･･色々あるんですね。｣
｢うん。･･･結局リハビリやらもして2人とも復帰したのが本当につい先日のことでね。本来だったら萩原さんは爆発物処理班に戻る予定だったらしいんだけど、松田さんが無理言って2人揃って僕達がいる捜査一課強行犯三係に配属されたってわけだよ。｣
｢･･･｣
｢これからは現場に彼らも居合わせることがあるかもしれないからその時は仲良くしてあげてね。｣
｢善処します･･･｣
高木さんとの楽しいお喋りタイムになるはずが、とても情報量の多い時間になってしまった。
死んだはずの人間が生きている?
私が来たことで原作が本来進む道とは違う道を辿っているということ?
｢ダメだ･･･訳分からなさすぎて頭が動かん･･･ご飯作ろ。｣
秀吉さんが帰ってきてるかは知らないが、今は夕飯作りの方が優先。
｢ただいま･･･｣
｢おかえりAちゃん!｣
｢っ･･･!!｣
｢Aちゃん･･･?｣
｢推しにお出迎えしてもらった喜びを噛み締めてるだけです。｣
｢???｣
あーーさっきの面倒なことが全て頭の中から消えていく←←
｢そんなに難しい顔してどうしたの?｣
｢･･･聞いてくれます?｣
｢勿論!｣
さすが私の現最推し←←←←←←
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作者名：ロデル | 作成日時：2022年1月24日 20時
