51話~other side~ ページ19
〜和葉side〜
来ちゃあかんって言うたのに──
｢てめぇ!和葉に手ぇ出してねぇやろなぁ!｣
ノコノコと平次は私の前に現れるし。
加えて────
｢誰や･･･誰なんやお前は!｣
｢工藤新一･･･探偵さ。｣
その“平次”が実は工藤君の変装で。
しかも、本物の平次は源氏蛍の一員に紛れてるし。
何から何までめちゃくちゃや。
｢何でそこまでするん･･･｣
｢?･･･何か言うたか和葉?｣
｢別に!｣
｢何やねん･･･｣
そして今は犯人の西条大河率いる源氏蛍との鬼ごっこ中だ。
Aちゃんもどこかにいるというのに───
｢あぁ!!｣
｢こ、今度は何や!突然叫びおって!｣
｢Aちゃん!この建物のどこかにAちゃんもおるんや!｣
｢はぁ?!何でそんな大事なこと先に言わへんのじゃこのボケ!｣
｢言うたやろ!電話した時に!｣
｢そんなん聞き取れるか!!｣
｢待てぃ!｣
｢｢!!｣｣
平次と無駄な言い争いをしている場合じゃない。
早くAちゃんを見つけないと。
｢和葉、こっちや!｣
｢うん!｣
平次に続いて渡り廊下を走った先にあった部屋に駆け込んだ。
運良く鍵もかけられたから、時間稼ぎにはなるはずだ。
しかし、この匂い────
｢この畳の匂い･･･私が押し込められとった部屋やわ。｣
ということは、この部屋のどこかにAちゃんがいる･･･?
｢破られるのも時間の問題か･･････って。｣
｢どないしたん平次･･････｣
平次の視線の先を辿ると────
｢や、やぁ･･･｣
柱に背中を擦り付けているAちゃんがいた。
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作者名：ロデル | 作成日時：2022年1月24日 20時
