47話 ページ14
────何で、何で思い出せないんだ。
『迷宮の十字路』は私の中でも、上位に入る好きな映画だ。
その結末を忘れるはずがない。
忘れるはずがないのに────
｢聞いてはりますか、花滝さん。｣
｢･･･はい?!｣
｢具合はどないですかって聞いてるんです。｣
綾小路警部か･･･いつの間に来たんだか。
そういえば秀吉さんと色々話したんだっけこの人。
｢心配かけてすいません。ぐっすり寝たので体調は問題ないです。｣
｢･･･連れにお姫様抱っこされるぐらい具合悪かったやさかい、回復してよかったですね。｣
｢っ･･･!!｣
それ今言う必要ないじゃん!!!!
言う必要ないじゃん!!←←←
心なしか皆ニヤニヤしてない?!
綾小路警部思ったより嫌な奴だ。
私の具合を確認した綾小路警部は扉の方へと行く。
用事はもう全て済ませたようだ。
｢とりあえず･･･これに懲りて大人しゅうしてることですな。｣
明らかに服部君に向けて言ってる言葉だな。
｢それじゃあ私もこれで。｣
｢大事になぁ、平ちゃん。｣
警部3人組が病室を出ていくと、随分静かになってしまった。
元々病院は静かにする場所だが。
｢私、お父さんに電話してくる。｣
｢うん。｣
蘭ちゃんまで出ちゃうと、何気に気まずくなる。
何せ1人は私の正体を探ろうとする小学生、その小学生に色々聞いているであろう怪我人、それに加えてその怪我人に悶々としている女の子。
･･･秀吉さんに会いたい←←←
｢うちもちょっと出かけるわ!平次、大人しくしてるんやで。｣
｢分かっとるわドアホ。｣
｢私も暇だからついていってもいい?｣
｢･･･ええで!じゃあコナン君、平次のことよろしゅうな!｣
｢分かった!｣
誰かと話していた方が気を紛らわせることが出来るからね。
｢和葉ちゃん、今からどこに行くの?服部君にお見舞いの品?｣
｢ちゃう･･･証拠や。｣
｢証拠?｣
｢これから犯人を特定出来る証拠を見つけに行くんや!｣
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作者名：ロデル | 作成日時：2022年1月24日 20時
