私立宝石学園 (ページ10)

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下校ページ10

安堵した私はつい涙が出てしまった。

『ありがとう〜ㅠㅠㅠ』

なれない異国の地で頑張っていこうと決めたにも関わらず、初日から学校内のトラブルにすら対処出来ない不甲斐なさで恥ずかしくもなって来る。

『私頑張るって決めたのに……初日から日本帰りたいとか思っちゃった……미안해(ごめんね)〜ㅜㅜㅜㅜしかもわざわざ戻ってきてくれて、2人に迷惑かけちゃった……』

ジョンウはそんな私を見て少し動揺しながらも優しく微笑んで声をかけてくれる。

🐺「迷惑なんて！友達なんだから当たり前だよ！！！！……大丈夫だった？他に嫌なことされてない？？？」

…ほんとに優しいな、この子。

(ジョンウと仲良くなれてホントに良かった……)

そう心から思えた。

🦋「ほら、一緒に帰るぞ」

ハルトはそう言って昔のように制服の裾で涙を拭ってくれた。

🐺「まあどうせ宿舎も一緒だし、わざわざ別で帰る必要ないしね」

ジョンウの言う通り宿舎は、男子寮と女子寮は区切られてはいるが建物は同じだ。

今帰ると一度別れたあとにまた会って気まずい状況になり得ないかもしれない。

『2人とも、ホントにありがとう！』

そうして私は登下校を共にする親友を得たのだった。

🦋「なんかまたAと一緒に帰るの不思議な感じするわㅋㅋㅋㅋ」

『まぁ、韓国まで来て昔の親友とまた一緒になるの普通ありえないよねㅎㅎ』

🐺「え？？なんか2人だけの世界？俺いるんだけど？？？？？？」

🦋「ㅋㅋㅋㅋㅋㅋㅋ」

さっきの事件の涙も忘れるくらい楽しく校舎を後にする。

ちょうど校門が見えてきた時ジョンウがなにかに気づき、「シー」と人差し指を口の前に持ってきた。

ジョンウはそのままニヤリとわらいながら少し前を歩く2人組に向かって突進して行く。

🐺「야(ヤー)！！」

後ろからジョンウが大声で呼びかけた。

？「うわっ！！！…………아〜짓짯(あ〜まったく)！！！」

？「…………」

1人はとても驚いている様子で振り返るなり文句を言ったが、もう1人は肝が座っているのか欠片も驚く素振りを見せずゆっくりと振り返ったのだった。

(え？？？あの人肝据わりすぎでは？……感情どこ……？？)