私立宝石学園 (ページ4)

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転入初日ページ4

『안녕하십니까(こんにちは)！日本から転入してきました！田中 Aです！よろしくお願いします！』

私はこの春から中高一貫校の宝石学園に高校1年生として転入することになった。

新学期とは言えどもみんな中学からの繰り上がりで既に仲は良さそうで、私は不安でしか無い。

(完全に部外者、しかも日本人だし…でも去年から死ぬ気で努力して語学塾も通って韓国語を完璧にしてきたんだ！)

誰も知らない異国の地で1人きり(ぼっち)の学校生活を回避するためにI型とは思えないほど明るく挨拶をしてみた。

「じゃああそこの席使ってね」
と先生から1番後ろの席を示されそこまで歩き

第一印象が大事だと習ったことがあるので、前の席の優しそうに笑う男の子に声をかける。

『まだあんまり韓国に詳しくないんだけど…色々教えてくれたら嬉しいな！』

🐺「よろしくねA！俺はパクジョンウ！……それにしても韓国語上手すぎじゃない！？」

そう言って男の子は特徴的な細いつり目をめいっぱい見開いていた。

『진짜(ほんと)!?嬉しい!!!実は凄いがんばったんだ〜』

そんな話をしながら隣の席の子に挨拶しようと試みるが、隣の席の男の子は机に突っ伏したままで、顔すら見ることが出来ない。

🐺「ヤー、お前新学期そうそう寝るなよー！」

ジョンウが軽く頭を弾く。

どうやら2人はずいぶん仲良しなようだ。

？「뭐야(なんだよ)……」

頭の弾かれた部分をさすりながらその子はゆっくりと顔を上げた。

？「…………」

神妙な面持ちでこちらをじっと見つめてくる。

眉間にシワがよっていても分かる端正な顔立ちで見つめられ、私は少し鼓動が早くなるのを感じた。

しかしそんな胸きゅんも次の言葉で台無しになる。

？「너 누구야(お前誰)……？」

『……は？』

随分と言葉遣いが荒っぽくていらっしゃる。

いや、まだダメだ。寝ぼけてるだけかもしれない。

気を取り直して……

『初めまして、今日からこの学校に転校してきました！田中Aです！これから隣の席としてﾅｶﾖｸｼﾃｸﾚﾀﾗｳﾚｼｲﾅ！』

精一杯の笑顔で話しかけてみた。

初日からちょっとトラブル！

それでも私、大丈夫！！！

0から始める学校生活！

？「……田中？……聞き覚えあるな」

…のはずだった。